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防災風土資源&ローテク防災術 -香川大学客員教授松尾裕治-

太刀野の中央構造線露出地点(三好市)

2024.04.12 10:34

吉野川沿いにある「道の駅三野」の駐車場西端の中央構造線橋下に太刀野の中央構造線露頭があります。この中央構造線は、西南日本の地質を内帯(大陸側)と外帯(太平洋側)に分ける大断層で、九州の八代市から四国の松山、池田、三野、鳴門を経て、紀伊半島を縦断し、伊勢湾から天竜川沿いに諏訪湖に入り、更に関東山地に延びる約1000kmを超える大断層で有名です。

この紀伊半島から四国を通る中央構造線は、将来も地震を起こしうる「活断層」として知られています。約300万年前から現在まで、千年程度に1度ずれ動いていて、讃岐山脈など、現在見られる風景を作ってきました。中央構造線の活動により阿讃山地が四国山地に対し相対的に右横ずれした結果、古吉野川が土器川に流れていたこともことなどもジオの世界では知られています。

「太刀野の中央構造線」は、大地を作っている地層や岩石は過去の地球で起こった情報を持っている貴重なジオ資源です。大地で私たちがどう暮らしていけばいいのか、中央構造線の活断層は、時には私たちに「災害」という試練をもたらし、その災害を乗り越えること、防災に取り組んでいくことを教えます。  今を生きている私達に、海洋型の南海トラフ地震だけでなく発生確率は低いですが、陸上の活断層地震にも備えることが必要であることを教えてくれています。

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