惑星
今や「木星(ジュピター)」ばかりが有名となってしまったホルスト作曲のオーケストラ作品「惑星」ですが、本来は7つの惑星から成る組曲です。
・火星(マルス) 戦いをもたらすもの
・金星(ヴィーナス) 平和をもたらすもの
・水星(マーキュリー) 翼のある使者
・木星(ジュピター) 快楽をもたらすもの
・土星(サターン) 老いをもたらすもの
・天王星(ウラヌス) 魔術師
・海王星(ネプチューン) 神秘なるもの
占星術からイメージを得て作られたこの組曲は全曲通すと50分ほどかかる大曲ですが、それぞれの星の個性が際立ち、またいろいろな楽器が活躍し、飽きることなく楽しめます。
最後の曲「海王星」は「神秘なるもの」と言う副題の通り、5拍子という変拍子のうえ調性も曖昧で、まさに妖しさに包まれた曲。そして最後は女声合唱が入り、その女声合唱に包まれて音楽が遠ざかっていきます。この度、いつもコーラスの伴奏の仕事でお世話になっている先生が「惑星」を指揮するにあたり、その合唱部分を歌う人を募っていると言うので、参加することにしました。
合唱といっても、最後のほんの3〜4分ほど、歌詞のない「アー」というヴォカリーズのみ。けれどこれが、まるで宇宙の彼方からの呼び声のような絶大な効果を発揮します。オーケストラのマネージャーの方も「数分のことなので、なにか違う楽器で代用できないか色々試したけれど、やっぱり人の声、女性の声でないと駄目でした」と仰っていました。
「これはもう、メーテルになった気分で歌わなくちゃ」などと言いながら軽い気分で参加表明しましたが、練習に行って実際歌ってみると、女声は6声に分かれて掛け合いになっており、指揮をしっかり見て5拍子をカウントしていないとすぐ迷子になってしまいます。集中しているとメーテルはどこかに吹っ飛んでしまいました。
4/19、当日演奏するのは東京カテドラル聖マリア大聖堂。丹下健三氏設計の素晴らしい建物です。こちらの会場は教会ということもあり、残響時間はなんと7秒!「惑星」が最後にどんな響きに包まれて終わるのか、とても楽しみです。
入場無料(限定350席)、お気軽に聴きにいらしてください。チラシの写真の星は海王星だそうです!