百年戦争7-ナバラ王フランス継承に参戦
2018.11.23 12:06
ペスト禍の中で亡くなったフィリップ6世の後は、1350年にその子ジャン2世が継いだ。良王(Le bon)と言われるが、なぜかはおいおいわかるだろう。クレシーの戦いには彼はギエンヌ包囲戦をしており、間に合わなかった。その敗北はずいぶん悔しかったとは想像に難くない。
新王は即位してすぐ、英と内通の罪で大元帥を逮捕、その地位を自分の寵臣であったシャルル・デスパーニュに与えられた。王にしてみれば、貴族の寄り集まりではなく、自分の意で動く直轄軍を創りたかった。そして52年にエトワール騎士団を結成する。王の軍隊改革は動き出したが、途端に頓挫した、新任の大元帥が暗殺されたのである。
大元帥を殺害したのはナバラ王カルロス2世と王弟オルレアン公フィリップだった。カルロス2世は、ルイ10世の長女ジャンヌの子供、英王エドワード3世が継承権があるなら自分にもある。そして自分に継承権がある領地を取ったシャルル・デスパーニュを殺したのである。もちろん無策ではない、王弟を誘い、なおかつ英王にも同盟を組もうと、さらに王太子まで引き込もうとした、彼は「悪王」と呼ばれる松永久秀のような梟雄である。
54年2月2日、王はナバラ王とマント条約を結び一旦講和をしたが、王太子を巻き込むとなると放っておけない。55年には英軍が侵入している。56年4月5日、王太子シャルルとナバラ王が会談しているところに王が踏みこんで、ナバラ王を逮捕して幽閉してしまった。
下は逮捕されるナバラ王カルロス2世