うどん店が多すぎる、大阪のファッションビル「ルクア大阪」。その理由は?《公式》
大塚和成です!
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うどん店が多すぎる、大阪のファッションビル「ルクア大阪」。その理由は?
ルクア大阪は、ルクアとルクアイーレの2棟からなる
若い世代を中心に、大阪・梅田で大人気のファッションビル「ルクア大阪」(大阪市北区)。施設内に「スターバックス コーヒー」が5軒もあることでも有名なのだが、大阪らしくうどん屋が4店もあることはご存じだろうか。
【写真】バリエーション豊かなうどん
スタバの5店も多いが、お茶したい、休憩したい、仕事をしたい・・・そんなさまざまな需要を考えると納得できる。実際、週末は施設内のどのスタバも大行列となっている。ただ、うどんはうどんだ。いくら大阪人がうどんが好きだと言っても、昼か夜、もしくは食事を逃したときにしか訪れない。
もともと、こんなにもうどん屋があったわけではなく、大阪の名店「美々卯」は2011年(当時はJR大阪三越伊勢丹)からあったが、残りの3店は2017年12月から立て続けにオープン。なぜ、ファッションビルにうどん屋なのか。百貨店であればまんべんなく業種を揃えたりするが、なぜ、同じジャンルばかり増やすのか、飲食食品のフロア統括を担当する中川 仁さんに訊ねてみた。
すると「ジャンルはバッティングしていない」という驚きの返事。なぜ、うどん屋かという質問に対しては、「エスニック料理やステーキなどのお肉料理などとは違い、うどんは幅広い世代に愛され、週に2回や3回でも食べられる料理。日本・大阪の粉もん食文化としても、飲食フロアではかかせない存在です」と、大阪だからこそ欠かせないという点では思わず納得。
では、この4店がバッティングしない理由を訊くと、「それぞれのお店の役割が全く違うのだ」という。10月にオープンした玉造に本店を構える「極楽うどんTKU」(10F)は、ぶっかけ、かすうどん、カレーなど、あらゆる「うどん」が気軽に味わえるお店。「美々卯」(10F)は、大阪・堺で200年続いた老舗料亭が発祥の「うどんすき」が名物で、会食などにも利用できるハレのうどんを提供。
「本町製麺所 天」(B2)は、「だし」が主役の天ぷら料理とうどんの専門店で、飲み〆にぴったりなスタンス。「だし茶漬け+肉うどん えん」(B2)は、食券で注文するシステムで、クイックに利用できる。「うどん1つをとっても、様々なニーズとバリエーションで展開しているので、バッティングすることがないんです」と、ここまで説明されると思わず納得せざるを得ない。
ちなみに、5店あるスタバも役割を分けているそうで、クイックに利用できる店舗、ゆったり利用できる店舗、特別なコーヒー豆を味わえる店舗などと、利用シーンに応じて最適な場所に配置され、バッティングしていないという。実際、スタバもうどん屋のいずれの店舗も人気店になっている背景を考えると、お客に求められるジャンルを深掘りしていく独自の戦略は功を奏している。店の業種をバランス良くそろえるよりも、大阪人の嗜好に合わせて特化していく。今後も、ファッションビルにうどん屋が増えるのか・・・大阪人としてちゃんと注目していきたい。