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「宇田川源流」 既に不戦敗という自民党に復活はあるのか?

2024.04.22 22:00

「宇田川源流」 既に不戦敗という自民党に復活はあるのか?


 4月28日投開票の衆議院補欠選挙の公示が、4月16日にあった。東京・島根・長崎の三選挙区であるが、なんと、東京と長崎では自民党も公明党も候補者を立てることができないということになってしまっているということになる。はっきり言ってしまって、自民党・公明党の連立与党における「衰退」があまりにもひどいのではないか。

自民党の歴史の中には、基本的には「長期政権」の跡に、首相の排出派閥が変わって、長期政権の内容とは異なった独自性を出したりあるいは、長期政権時に出来なかった自分たちのやりたいことをやって、そのことによって支持を失い、そのまま下野するということが非常に多く起きている。中曽根内閣・竹下内閣の後になって、宏池会出身の宮澤喜一内閣が出て、政治改革を行うなどということを主張し、宏池会のやりたい政策をごり押ししたために、小沢一郎や羽田孜という経世会の多くの人々が自民党を離党するという結果になった。その後、結局宮沢総理自身も当時の問題になったリクルート事件に関与していたことが明らかになり、そのことから自民党が下野し日本神道の細川護熙内閣ができたのである。

小泉内閣のあとは、安倍内閣、福田内閣、麻生内閣となって、徐々に支持を失っていた。基本的には、やはりスキャンダルがらみの事であり、特に福田内閣に関しては小沢一郎氏との大連立を画策するなど、なぜか「左傾化した政治」を行ってしまったことから、多くの保守層に無視される結果になったということになる福田康夫氏は、清和会であって宏池会ではなかったということになるが、しかし、麻生太郎氏が「旧大宏池会」のなかである。特に長期政権の小泉内閣とは異なることをやろうとしたことはないが、福田内閣の内容を変えるだけの力はなかった。

 そもそも「長期政権」というのは、その政権の行っていることやその政権の目指している日本の姿が、少なくとも有権者の過半数の支持を得ているということであり、その事実を無視して「自分が総理になったから」などと言って勝手なことをすれば、すぐに与党の支持は失われる。

そのことがわかっていない人が総裁になれば、政治は傾くということになるのである。

補選不戦敗「重い責任」 自民・森山氏

 自民党の森山裕総務会長は17日の内外情勢調査会での講演で、衆院3補欠選挙(28日投開票)のうち東京15区と長崎3区で自民が不戦敗となったことに不満を示した。

 「国民政党として選択を狭めてしまったことは重い責任だ。勝ち負けは別にして、信を問うべきだった」と語った。 

4/17(水)時事通信

https://news.yahoo.co.jp/articles/b7d50d7b532692e03eb872fd543c5713a74d80f1

自民不在も「自民」で論戦、支持層・批判層どこへ? 東京15区補選

 衆院東京15区(江東区)の補欠選挙が16日、告示された。自民候補がいない東京15区でも論戦の中心は「自民」。だが、姿勢の違いがのぞく。

 「『逮捕者が出た選挙区』という言われ方は最後にしましょう」。無所属新顔の乙武洋匡氏(48)は16日、訴えた。補選は、選挙違反事件で有罪となった柿沢未途前議員=自民離党=の辞職に伴う。

 一方、自民は当初、乙武氏推薦の方針を表明していた。乙武氏を推す小池百合子・東京都知事は告示直前、推薦を見送った自民についても「関連団体も含めて連携を深めていくことを考えている」。支持層への浸透を目指す考えも示した。

 新顔の金沢結衣氏(33)を擁立した日本維新の会の馬場伸幸代表は16日の応援演説で、「一番悪いのは岸田総理。自身も派閥の議員も処分していない」と裏金事件を批判した。ただ、続いた藤田文武幹事長は演説の多くを、「政治とカネ」を巡る改革の姿勢などを挙げて立憲民主党の批判にあてた。

 昨春の統一地方選では、地盤の関西だけでなく首都圏でも議席を伸ばした。立憲との違いを示し、「裏金問題がおかしいと思う人は必ずいる」(陣営幹部)とみる自民支持層の取り込みも狙う。

 「選んだ政治家がスキャンダル。また起きたら目も当てられない」。立憲の新顔、酒井菜摘氏(37)の演説会で党都連会長の長妻昭政調会長は激しい自民批判を展開した。告示直前に候補取り下げを決めた共産党との共闘が実現し、社民党などの支援も受ける。立憲都連幹部は「岸田政権にとどめを刺す補選」。自民批判票の受け皿を狙う。

 同補選には、ほかに、NHKから国民を守る党の新顔・福永活也氏(43)、参政党の新顔・吉川里奈氏(36)、無所属前職の秋元司氏(52)、政治団体「つばさの党」の新顔・根本良輔氏(29)、政治団体「日本保守党」の新顔・飯山陽(あかり)氏(48)、無所属新顔の須藤元気氏(46)が立候補を届け出た。(中村英一郎、土舘聡一、宮野拓也)

4/17(水) 朝日新聞デジタル

https://news.yahoo.co.jp/articles/9c460d4afe578542f0f8d2cb5b1a35b02138a826

 今回の補欠選挙、まあ、公示日から投票日の間に選挙の事をあまり語りたくはないが、基本的に「出馬しなかった」ということであれば、問題はないのでその内容を中心に書いてみる。

さて、今回の選挙、そもそも東京選挙区は柿沢未途前議員、長崎は谷川弥一前議員、島根は細田博之前議員と、全てが自民党の議員であった人々であり、柿沢氏は江東区の口調選挙における公職選挙法違反、谷川氏は清和会の公職選挙法違反疑惑における辞任、そして細田氏は死去による補欠選挙になる。この中で、公職選挙法違反の二人の場所に関しては、自民党は立候補も行うことができなかった。つまり、トータルで既に自民党は二議席失っているということになる。政党の代表で「自分の政党の議席を失って責任を取らない」ということがまかり通るということがあまりにもおかしな話である。そのうえ、数字を見れば、島根県でもあまり芳しいものではない。これは、「政治と金のスキャンダル」だけではなく、それ以外の政治に関しても、国民の支持を得ていないということに他ならない、つまり、現在の自民党と公明党の連立与党の政治には、期待できないというのが国民の声でありそのことが示されていることになる

そもそも「立候補者がいない」ということはどういうことなのであろうか。この内容には二つの事がある。政治家を目指している人は少なくない。細田氏の血縁も谷川氏の血縁もあるし、また東京にも自民党に限らず政治家になりたい人は少なくない。しかし、その人々が「今自民党の公認で戦っても勝てない」というように判断しているということであろう。そのような候補者は他の政党に移ってしまい、人材がいなくなってしまう。つまり、岸田内閣になって既に人が離れているということを意味しているのである。

同時に、スキャンダルだけで人が離れているのではなく、政策に期待が持てないという人が少なくないということを意味しているのであろう。そのように考えた場合、「スキャンダルが原因」というように責任転嫁をしている執行部そのものが大きな門d内なのではないだろうか。

もちろん、日本はそのようにして民主党政権を作り出し、悪夢の三年半になった。その悪夢を断ち切った長期政権に「反発する政策」ということは、民主党政権と全く変わらない政治をしていることに近いのではないか。

「国民政党として選択を狭めてしまったことは重い責任だ。勝ち負けは別にして、信を問うべきだった」<上記より抜粋>

議席を失い、そして国民の選択肢を狭め、現座の与党を支持する人々のひょうの受け皿を失わせた責任は、だれがどのようにとるのであろうか。この補欠選挙が終わった後には、岸田おろしを中心にした嵐が吹き荒れるのではないか。