猫のワクチンを特に打った方が良い理由
まず当然ながら、風邪の予防になりますし、以前ボランティアで引き取った猫ちゃんがパルボウイルスに感染しており、家の猫ちゃん達、約20匹が全滅したという話を書きましたが、それも完璧に予防できます。
(パルボウイルスに関しては前述の通りです。非常に感染率、死亡率が高いにもかかわらず、ワクチンを打っていればほぼ感染しない、という変わった病気です)
ですが、風邪、と言っても、ただの風邪ではありません。
人間で言えばインフルエンザと同じくらいの重い風邪であることを、良く理解してください。
当院にはワクチンを打たず、20匹以上の猫ちゃんを飼育している方がいらっしゃいます。
風邪ですめば抗生物質などで、回復が見込めるのですが、その方は定期的に、風邪が酷くなって肺炎を起こした猫ちゃんや、胸の中に膿が溜まってしまった猫ちゃんを連れてきます(膿胸といいます)。
膿胸になってもある程度成猫になっていれば手術で助かることもありますが、あまりに小さかったり、猫エイズ、猫白血病ウイルスに感染していると、治療して治ったと思っても、再発して死んでしまうことがほとんどです。
他の猫ちゃんに接触しないから、ワクチンを打たなくても大丈夫。
これは大きな間違いです。
室内飼いでもひどい風邪をひく猫ちゃんは結構います。
悪化を防ぐ、重篤な症状を防ぐ、など、ワクチンには重要な要素がたくさんあるんです。
ワクチン接種をしてない人からしたら、嫌なセリフかもしれませんが、免疫学専門医の先生のセリフです。
「ワクチンを打たない飼い主は虐待しているのと変わらない」
人間の場合、子供にワクチンを打たない親がどれくらいいるでしょうか?
ジフテリアの様な病気になっても構わない、私はワクチンを打たない!
正直そんな人、聞いたこと無いです。
でも、犬猫界ではそれが当たり前になっている人が何人もいるわけです。
ワンちゃんのワクチンの病気はほとんど淘汰されて、表に出てきませんが、やはり中にはこの病気に罹患しただろう、という検査結果が出ることもあります。
病気にかかったまま、ワクチンを打たずにトリミングサロンに行って、そのサロンを営業停止にした事件なども聞くことがあります。
猫ちゃんは特にワクチンに入っている病気に反応しやすい傾向にあります。
あの時、ワクチンさえ打っていたら問題なく助かったのに!そんなふうに思うようなことが無いように、予防はきちんとやっておきましょう。