春の光

４月９日は1917年ヨーロッパ西部戦線フランスのVimy Ridgeでのカナダの戦勝記念日である。ノルマンディー海岸上陸作戦でカナダ英国の連合軍側が大勝利した記念碑がその地に建てられた。一方、第一次大戦中多くの犠牲者を出した日系カナダ兵の、又その後の戦線で犠牲になった日系カナダ人戦没者の慰霊記念碑がスタンレーパークの一角に1921年に建立されている。周辺に「大提灯」「ソメイヨシノ」「白妙」などの桜が植えられている中特筆すべきは白妙桜並木が慰霊塔から西側に素晴らしい緑空間を中心に配置されている。4月9日のヴィミーリッジデイにバンクーバーでは真っ白な「白妙桜」の並木が丁度満開時期に当たるのは単に偶然では無い様に思う。

BC 大学校内の新戸部稲造紀年庭園は多種の桜の配置が巧みに配置されている。昨春は季節不順の為か通常の開花順序「滝匂い」から開花し「松月」「白普賢」などの順序がこの時は同時に開花していた。ハーモニーし春を凱歌し踊っている様だった。緊張感のある静けさの中の華やかさだ。

長い冬の鬱陶しい日が続き雨が止み四月に入ると太陽の光りが強くなりあたり一面が明るく風景は一変する。海の色も輝いて陰影が鮮明になる。道を行く人々の顔も穏やかになり笑顔が出てくる。晴天のスティーブストンのフィッシャーマンズ埠頭から散歩道を東に少し行くとインペリアル・ランディング埠頭に停泊中の船をみる。風が冷たく感じられて来る頃には立って居れなくなり絵道具を片付けて最終仕上げはスタジオでする。立ち続ける釣り人たちは諦めない。