VIAイタリアンワイン・アンバサダー④ その他
1.テイスティング
実は、テイスティングに関しては、日本ではまったく準備しませんでした。というより、選択式試験の準備が忙しく、そんな時間がなかった、というところです(笑)。
ただし、「現地でばっちりやる」と決めていました。とくに現地での試飲時間は、講師(採点官)と自分の軸を合わせる時間と思ってもいいでしょう。イタリアのブドウ品種は、酸が高く、タンニンが強いものが多いので、普段だったら、酸を「High」と書くようなワインも、「Medium(+)」が正解になったりします。
他にも、この試験では白ワインは苦みをポジティブなものととらえていたり、「Chalky」「Gravelly」とテクスチャー表現が加わったりします。このあたりは、JSAやWSETにはない評価軸なので、現地で講師と感覚をすり合わせる必要があります。
最後に、海外で試飲試験を感じるたびに思うのが、日本と海外ではワインのコンディションが違うことが良くあるということです。ぜひ現地で1本1本真剣に飲んでください。
2.動画
4人1組で作ります。現地に入る前に制作することをオススメします。受験生の中には、現地で作っている人もいましたが、プログラムに入ってからは、セミナーは朝から晩まで(だいたい8時~18時)続くので、そういった余裕はないと思った方が良いでしょう。
3.ショートエッセイ
範囲が広く、問題予想がしにくいと感じました。ただし、選択試験の延長で用意をすることもできます。シラバスのサンプル問題から「こんな問題がでるのではないか」と予想しながら勉強すると良いと思います。
4.現地での様子
4日間みっちり講義です。1日目にVIAのパートナーのワイナリーを訪問しましたが、それ以外は基本座学と試飲でした。多くの受験生が、夕方のセミナーが終わったら、近くのバルで軽く食べて部屋に戻ったり、スーパーでお惣菜を買って部屋で食べたりして、寝るまでに軽く勉強したようです。受験生の話題も「テスト、テスト、テスト…」。基本、4日間は観光できないと思っていた方が良いでしょう。
5.験勉強全体を通じて
旅行気分で気軽に申し込んでしまい、途中でめずらしく後悔しました…。完全に舐めていました。マルチプルチョイスが、まあまあ難しい。自分にとって決して安くない20数万円の学費。再試験を受けたくないという気持ちが、お尻に火をつけました。朝5時に起きて、平日は5時間、祝日は10時間以上勉強することに。
きついと感じたのが、学習サイトにアクセスできるのが、試験の2カ月半前ということです。もっと前にアクセスできれば、余裕をもって勉強できたかもしれませんが、システム上、そうは問屋が卸さないものです。
ヴェローナでの試験は毎年4月上旬に行われます。ちょうど3月は、日本は年度末にかかるため、重要会議があったり、送迎会などが重なったり、なかなか時間が取りにくいシーズンです。この辺りがきつかったという仲間もいました。もしスケジュールを事前に調整できるなら、2~3月はあまり忙しくならないようにすることをオススメします。
6.諦めなければ合格できる
「資格試験である以上、諦めなければ絶対合格できる」、そんな信念をもって走り抜けました。もし1回で合格できなくても、挑戦したことが2回目の試験にプラスに働きます。これから受験しよう、そんな方がいらっしゃったら、ぜひ諦めないで学び続けてください。「イタリアワインが好き!」という気持ちがきっと励みになります。
7.最後に
アンバサダーに合格しても、まだまだイタリアワインの入り口に立っただけと自覚しています。イタリアは想像以上に深く、追究しがいのある生産国です。これからも受講生や、周囲の方の役に立てるように学び続けていきたいと思います。