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飲食業界「ホワイト度」ランキング(vol.40)

2017.08.29 05:00

1位はびっくりドンキー、2位にスタバ。飲食業界のワークライフバランスは?

要旨:


少子高齢化による労働人口の減少から業界を問わず人手不足が叫ばれる中、労働環境に関するニュースや「キツイ」というイメージによって特に人が集まらないとされている飲食業界。厚生労働省が発表した調査結果(※)でも、「宿泊業、飲食サービス業」のパートタイム労働者の不足が著しく、閉店や営業時間の短縮をせざるを得ない店舗も増えるなど、他業界と比べて人手不足が深刻であることがうかがえます。


飲食店を展開する企業は労働環境や待遇の改善を図ることで従業員満足度を引き上げ、新たな労働力の確保をしていくことが急務となる中、Vorkers(現:OpenWork)に2015年以降に投稿された残業時間、有休消化率、待遇の満足度から飲食業界の「ホワイト度」を数値化しランキングを作成しました。上位企業にはどのような特徴があるのかを見ていきます。

※厚生労働省労働経済動向調査(平成29年5月)


飲食業界「ホワイト度」ランキング

※ランキングの評価点・クチコミ件数などは集計時点の数値となるため、「Vorkers(現:OpenWork)」各企業ページで掲載している数値と異なる場合があります。


今回のランキングでは、残業時間、有休消化率、待遇の満足度を100点満点化し、「ホワイト度」を算出しました。1位はハンバーグレストラン「びっくりドンキー」を展開するアレフ、2位にスターバックスコーヒーがランクインしました。3位、5位、6位とJR系列企業がランクインし、5位のジェイアール東海パッセンジャーズは残業時間が4.6時間と、ランクイン企業内で最も少ない結果となっています。Vorkers(現:OpenWork)における「待遇の満足度」評価の飲食業界平均は2.7と高くない中、1位のアレフが3.40、7位のシャノアール(カフェ ベローチェを展開)が3.10、11位の鳥貴族が3.11と3点を超える評価となりました。


法令順守意識が高い「びっくりドンキー」

今回のランキングで1位になったアレフは、北海道に本社を置き「びっくりドンキー」をはじめとするレストランを343店舗展開しています。業界平均(残業48.0時間、有休26.7%)と比較しても、残業時間は18.4時間、有休消化率は61.0%とランクイン企業内で唯一6割以上の高さとなりました。社員クチコミを見ていくと「法令順守」についてのコメントが多く、必ず年に2回5連休を取るよう促されるなど、法令順守意識の高さがうかがえます。また、待遇の満足度も3.40と飲食業界の多くが2点台である中高い評価を得ています。クチコミでも残業代の支払いに加え福利厚生にも満足している声が見られ、それが評価にも反映されたと言えます。


「近年は法令遵守に力を入れて整備をしていると感じました。会社員として今まで放置されていた労働環境や社内規定を見直すといったことを改めていこうとする取り組みを行っているようです。(営業販売、男性、アレフ)」


「法令遵守の意識が高く、いい意味でも悪い意味でも会社の利益よりも先に社会へ還元するという意識を強く感じる。ただし、その影響もあり、コストに関しては若干努力不足がうかがえる。(マーケティング、男性、アレフ)」


「飲食小売の中では、女性が働きやすい環境は整っている方だと感じる。企業の法令遵守の意識も高く、社員間でも女性が働きやすい環境をつくるように働きかける風土がある。(マーケティング、男性、アレフ)」


「待遇は満足できるほどしっかりしています。店舗にもよりますが、公休も毎月消化することができて年に2回、5日間の連休もとることができます。(トレーナー、女性、アレフ)」


「給料は一般的に見ると悪くはなく、1年目でも手当などを含めば年収350万ほどにはなる。残業に関しても月の所定労働時間を超えた分だけ支払われる。(営業、男性、アレフ)」


「関東では地方手当として月に3万、場所によっては4万円の支給があります。残業代もちゃんと付き、福利厚生も揃っている為、安心して働くことができます。(トレーナー、女性、アレフ)」


徹底した労働時間管理「スターバックスコーヒー」

2位にランクインしたスターバックスコーヒーは、言わずと知れた世界的コーヒーチェーンで全国に1288店舗を展開しています。1位のびっくりドンキーには及ばないものの、残業時間は30時間以下、有休消化率は5割以上と業界平均を大きく上回っています。アルバイト不足が叫ばれる飲食店の現場では、それを社員が補うことで社員のワークライフバランスが低下する声が多く見られますが、スターバックスでは徹底した労働時間管理を行うことで社員の「ライフ」時間の確保に努めていることがうかがえます。


「店舗のスタッフ充足率にもよるが店長職では月10日の公休が確保され、勤怠管理も非常にしっかりとしている。(ストアマネージャー、男性、スターバックス コーヒー ジャパン)」


「社員は月間で働いて良い時間に制限があり、それを超過すると、上司、本部に通知がいくようになっている。また、その場合でも、上司はそうならないような対策を一緒に考えてくれるので、ちゃんと周囲とコミュニケーションをとっていれば、超過勤務になることはあまりない。ほぼ、法定通りで働ける。(正社員、男性、スターバックス コーヒー ジャパン)」


「月休10日が原則なので、休日出勤や繁忙期以外はしっかりと休む時間がとれ、趣味やプライベートを日常に取り入れることができる。(店長候補、女性、スターバックス コーヒー ジャパン)」


「バランスの調整はしやすい。シフト制で休み希望はほぼ確実に反映されるし、有給もとりやすい。(パートナー、女性、スターバックス コーヒー ジャパン)」


データの集計について

データの収集方法

「Vorkers(現:OpenWork)」の会社評価レポートへの回答を通じてデータを収集しています。

会社評価レポートの回答条件は下記のとおりです。

以下の2つのデータについても収集しています。

対象データ

2015年以降にVorkers(現:OpenWork)に投稿された飲食・フードサービス業界の会社評価レポート3200件のうち、回答者数が10人以上ある企業を対象データとしています。(集計期間:2015年1月~2017年7月)

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