十の災い
とおの災いとは、古代エジプトで奴隷状態にあったイスラエル人を救出するためにエジプトに対して神がもたらしたとされる十種類の災害のことである。
BC17世紀ごろ、飢饉に見舞われたユダヤ人は、エジプトに避難する。ユダヤ人はエジプトで繁栄して、増え続けた。しかし、ユダヤ教を捨てる事ができず、エジプトの神や習慣に馴染むことはなかった。それを良しとしなかったファラオは、ユダヤ人を迫害し、奴隷として建築や土木などで働かせていた。
400年ほど経過して、預言者モーセが現れる。モーセはユダヤ人の労働を軽減するよう王に抗議するが、王は聞き入れることがなかった。モーセはエジプトに10の災いを行い、ユダヤ人を引き連れ、エジプトを脱出する。
1.ナイル川の水を血に変える「血の災い」
ーアロンは杖を振り上げて、ファラオとその家臣の前でナイル川の水を打った。 川の水はことごとく血に変わり、川の魚は死に、川は悪臭を放ち、エジプト人はナイル川の水を飲めなくなった。
2.蛙を放つ「蛙の災い」
ーアロンがエジプトの水の上に手を差し伸べると、蛙が這い上がってきてエジプトの国を覆った。
3.ぶよを放つ「ぶよの災い」
ーアロンが杖を持った手を差し伸べ土の塵を打つと、土の塵はエジプト全土に広がって人と家畜を襲った。
※アロン…モーセの兄
4.あぶを放つ「あぶの災い」
5.家畜に疫病を流行らせる「疫病の災い」
ー翌日、主はこのことを行われたので、エジプト人の家畜は全部死んだが、イスラエルの人々の家畜は一頭も死ななかった。
6.腫れ物を生じさせる「腫物の災い」
ー二人はかまどのすすを取ってファラオの前に立ち、モーセがそれをファラオの前で天に向かってまき散らした。 すると、膿の出るはれ物が人と家畜に生じた。
7.雹を降らせる「雹の災い」
ーモーセが天に向かって杖を差し伸べると、主は雷と雹を下され、稲妻が大地に向かって走った。主はエジプトの地に雹を降らせられた。 雹が降り、その間を絶え間なく稲妻が走った。それははなはだ激しく、このような雹が降ったことは、エジプトの国始まって以来かつてなかったほどであった。
8.蝗を放つ「いなごの災い」
ーモーセがエジプトの地に杖を差し伸べると、主はまる一昼夜、東風を吹かせられた。朝になると、東風がいなごの大群を運んできた。 いなごはエジプト全土を覆い、エジプトの領土全体にとどまった。
9.暗闇でエジプトを覆う「暗闇の災い」
ーモーセが手を天に向かって差し伸べると、三日間エジプト全土に暗闇が臨んだ。
10.長子を皆殺しする「最後の災い」
ー真夜中になって、主はエジプトの国ですべての初子を撃たれた。王座に座しているファラオの初子から牢屋につながれている捕虜の初子まで、 また家畜の初子もことごとく撃たれたので、ファラオと家臣、またすべてのエジプト人は夜中に起きあがった。