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大麻がアルコールよりも安全なワケ

2018.12.07 07:20

カリフォルニア州やカナダを筆頭に、次々と大麻が合法化されたことにより、アメリカでは仲間と楽しい時間を過ごすための嗜好品の座をめぐって、飲料会社とマリファナ製造業者が競合し始めています。

仕事帰りに飲みに行く代わりに、大麻入りノンアルコールワインや炭酸水といった、マリファナ製品の使用を勧めているのです。

しかもお酒より大麻の方が依存性や危険性も少ないとあっては、太刀打ちできませんよね。

今回は、お酒よりもマリファナの方が安全だということをぜひ知っていただきたいと思います。


大麻より飲酒運転の方が危険

ニューヨーク大学の研究者とBOTEC Analysis社が共同で発表した論文によると、運転に対する大麻の影響はアルコールの影響ほどではないといいます。

大麻だけを使用している場合、合法的な血中アルコール濃度の値0.08での運転に伴うリスクに比べて、わずか数分の一程度であると報告しているのです。

一方、「アルコールと大麻を同時に使用した場合、それぞれ個別に使用した時よりも運転手の能力を害する」とも報告していますが、これは当たり前の話。

大麻とアルコールを同時に使用していたらふにゃふにゃですから、運転なんてもってのほかです。

この論文の著者は、「アルコールや他の薬物と組み合わせていない、大麻のみでの酩酊の最大リスクは、例えばハンズフリーの携帯電話での通話(この行為は全ての州で合法)に伴うリスクと同等レベルであり、0.08を超える血中アルコール濃度で運転するよりも低い。」としています。

この結果から、「大麻を摂取した状態での運転は、無謀運転やスピード違反でなければ、犯罪ではなく、道路交通法違反として取り締まるべきである」と提言しています。

アルコールと大麻の両方を摂取したことがある人は賛同するでしょうけれが、アルコールが運転手に与える影響と、大麻が運転手に与える影響には大きな違いがあるのです。

飲酒運転はスピードを出し過ぎて、無謀な運転をしがちですよね?

大麻だと、逆にゆっくりと注意深すぎるほどの運転をする傾向があるのはお分かりだと思います(笑)

日本では、大麻を使ったこともない人が一概に固定観念や先入観から、「危ない」という認識になっているだけなので、はっきり言ってその意見には全く根拠がないのです。



オバマ大統領も大麻の安全性を断言

オバマ大統領の「大麻はアルコールほど危険ではない」という発言にも、科学的な裏付けがされています。

ドイツのドレスデン工科大学の疫学調査ユニット、Dirk W. Lachenmeier博士らの最新の研究で、大麻はアルコールやタバコ、ヘロインやコカインよりも飛び抜けて危険性が少ないことが明らかになっているのです。

Comparative risk assessment of alcohol, tobacco, cannabis and other illicit drugs using the margin of exposure approach

研究チームは暴露マージンMOE)法という手法を用い、大麻、アルコール、タバコ、ヘロイン、コカイン、覚醒剤、エクスタシーの危険性を比較。

参照:化学物質のリスク評価について(pdf)

その結果、最もリスクが高かったのがアルコール、次にヘロインとコカイン、そしてタバコとなりました。

この4種類は「高リスク」に分類され、エクスタシーと覚醒剤が「中リスク」に分類されています。

その中で大麻だけがアルコールの危険性の1/114というぶっちぎりの大差で唯ひとつ「低リスク」に分類されることとなりました。

(Data by The Washington Post)

この結果は10年以上も前に提示されていて、オバマ大統領の「大麻が酒よりも危険だとは考えない」という発言の根拠の1つにもなっていますが、今回の研究は、大麻が危険であるとして禁止するような「科学的な根拠がない」ことをさらに強く裏付けるものとなっています。

Comparison of acute lethal toxicity of commonly abused psychoactive substances(pdf)

この研究でアルコールが最も危険度が高い物となっている理由としては、合法的に出まわって消費されていることが挙げられています。

またMOEという手法から、この研究で示されているのは致死性に関してなのです。

致死性のあるものが、未成年者の手の届くような売られ方をしていて良いと思う人は誰もいないのではないでしょうか。

実際には、アルコールやタバコは依存症となる可能性があり、適度な摂取にとどめ、死に至らないまでも、生活習慣病やがんの一因となることもありますよね。


科学的根拠をもとに規制が必要

国の利益や税収だけではなく、リスクの大小を科学的に判断した上で、明確に規制が行われるべきで、大麻をハードドラッグと一緒にして禁止することの科学的根拠の欠如については再度見直すべきなのです。

日常的に出回るアルコール、タバコやハードドラッグのような、よりハイリスクな物質に加えて新たに問題となっている危険ドラッグへの対応などに対しての規制が行き渡っていない気がします。

海外では州ごとに細かく規制したり、きちんと対策が取り決められているのです。

筆者らは大麻の危険性のあまりの低さに、論文の中で

大麻は禁止するのではなく厳格に合法的な物質として制御されるべきであろう

と提案しています。そろそろ日本も本格的に考えていくべきなのではないでしょうか。

Marijuana may be even safer than previously thought, researchers say - The Washington Post