▲歩く記録 南高尾(大垂水、入沢山、中沢山)/東京都八王市子
2年前に奥高尾でニリンソウの小さな群生をみかけ、その可憐な容姿と一面に白い花をさかせた風景に魅了された。願い叶って、大群生があるというエリアを目指して、今回は南高尾エリアを歩く。行きは高尾駅から大垂水バス停までバスでワープ!このバスは1日に数本しか走っていないため、バスの時刻に合わせて行程を組みます。
大垂水バス停から小さなプアップダウンを繰り返し、リズムよく歩いていくとすぐに最初の山頂松枝峰にでる。この日、同じバス停で降りた年配登山グループ2組とは、道中追い越し追い越されしながらお互いに微笑ましく歩くことになる。おばあちゃんかは、抹茶風味のおやつをいただき、リーダーらしきおじいちゃんは気さくに私たちによく話しかけてくれる。普段、この世代の方々とあまり接っする機会がないからなのか、こうした何気ないやり取りが身に染みる。
この南高尾エリアには途中、いたるところに手作りのベンチやリュック掛けがあり、その遊び心溢れた精神に増々愛着がわく。おまけにこの時期、上を見上げれば眩い若葉、足元には小さな小花がひっそりと咲いているので感動ばかりして忙しい笑。しかし、暖かいを通りこしてすでに暑い。小虫もだいぶ飛んでいる。山サクラはヒラヒラと散り、すでに初夏の風を感じる。
のんびり歩きはじめ、最初の目的地である入沢山へついたのは13時をとっくに過ぎていた。ニリンソウの他に、入沢山の「天空レストラン」でお昼ごはんにすることも目的だった。もちろん、レストランがあるわけではなく、全て飲食持ち込みの絶景がごちそうのレストランだ。この看板ひとつで気分が盛り上がること!造った方の発想力に乾杯。友人がもってきてくれた布の効果もあり、なんだかリッチな山ごはん。緑の濃淡が美しい景色を目の前に、時折桜がひらひらとまう中でのごはんタイムは、本当の贅沢だと思う。
ゆっくりと休み、足取り軽く、今回の一番の目的地であるニリンソウ群生地へと向かった。そろそろかな…と思った先に、なんということでしょう。「息をのむほど」とはこのこと、辺り一面にニリンソウが白い花をつけて咲き乱れている。一輪は一重の可憐な花であっても、仲間と群生をすることでこんなにも人に感動を与えるとは……。西陽が少しかかるその風景は、まるで天国のようだった。
群生地を抜けた後は、針葉樹の森を、水の音をききながら沢沿いに下り、駅へと向かった。
JR高尾駅▶大垂水バス停▶松枝峰▶大洞山▶コンピラ▶中沢山▶入沢山▶西山峠▶京王高尾山口駅
山ごはん:パスタスープ、おにぎり(高尾駅群言堂で購入)、チョコパイ(友人作)、珈琲