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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

百年戦争11-間接税の父仏王再度人質へ

2018.11.29 02:32

1360年、仏王ジャン2世は帰国した。帰国するとともかく身代金のねん出が第一。ということで橋本内閣、じゃなかった王は全商品に5%の間接税を掛けた、実に間接税の歴史は古いのである。彼は「税金の父」と呼ばれ、。王家の教会サン・ドニ大聖堂に到着すると、そこに待っていたのは腹黒ナバラ王だったが、お人よしの王はあっさり本領を安堵した。

人の良い王は、新たな英領の領主に、英に臣従するようにとのお触れを出した。翌年ブルゴーニュ公が後継ぎなく死去したので、自分で相続し、ポアティエで王を守ってけなげに戦った末子フィリップに与えた。

さて62年、突如十字軍が提唱された。その主はキプロス王ピエール1世、キプロスは聖地国家陥落後、キリスト教国の最前線としてエルサレム王を兼ねていた、と同時に地中海貿易でも最前線で繁栄していたのである。彼は十字軍の夢に燃え、教皇の支援を得て、仏王に訴えれば、これもあっさりOKしちゃったのである。

ところがフランスに金があるはずもなし。英からは金が来ないので人質の追加を要求してくる。さらに何と人質になっていた第2王子ルイが、勝手にフランスに帰国してしまったからたいへんだ。しかし王ジャン2世は、「しょうがないからワシまた行くわ」と、自ら人質を志願して渡英した。男の約束ならぬ騎士の誓いは違うべからず、最後の中世人と言われるお人よし王ジャン2世は、1364年イングランドで崩御した、ある意味天晴れ!
下は死してフランスに戻ってきたジャン2世どことなく微笑ましい