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『素人の遊びと玄人の仕事』について

2024.05.01 12:00

最近、プロの肖像画家(タダで肖像画描いてくれと知人から)やミュージシャン(タダでBGMを作ってくれと知らない人から)やグラフィックデザイナー(タダで入稿データ作ってと先輩から)等の話を聞きながら「思い出し怒り」が湧いたので、ここに書いておくことにした。


大前提として、私は全ての“本気の表現”はプロアマ問わず良いもの(仕事でも芸術でも価値あるもの)だと思っているし、

私もクリエイティブ領域を仕事(プロ)として最前線で結果を出して生活してきたし、ライフワークとして本気で表現を続けている。

そして、文化的コミュニティや友人と、遊び(無料、仕事や作品とは別のスタンス)で作り合うことも楽しんでいる。


何事もケースバイケース(その人達の関係性や、自らボランティアで社会の為にやりたい、実績作りや営業として等)グレーゾーンの範囲と都度の選択・決断はその人次第だと承知しているけれど、「玄人の仕事」に対する、あまりに無知かつ厚かましい話に憤るプロや表現者が多いため、書く。


年上男性に基本的な事を教える難しさ。(正論でも、女に偉そうにされた!と逆ギレしハラスメントする人達多いので)

年上女性に納得してもらう事の難しさ。(正論でも、親戚のおばちゃんの様に“お願い”すれば無茶が通ると舐めている世間知らずさん達多いので)



「レンタルフォトのサムネ・サンプル画像のウォーターマークをフォトショ画像処理で消して」

お金払わず本来有料の著作物を使おう(しかも営利の広告物へ)とする無知とクリエイティブに対する冒涜。

20代前半だけどその時もう管理職だったので、大手取引先の担当者に丁重に基本的な事をお伝えした。

最近でも「特定案件のために購入した素材をタダでデータコピー回してくれ(他社で別制作物で流用したい)」とそれなりのレベルの会社の人に言われ、角がたたない様に基本的な事をお伝えした。

プロの仕事にお金払うこと、義務教育でテストにしてほしい。(教えるだけでは聞き流したり自分事ではない意識だから、テストでNG取って意識変えるべきだと思う)



「似顔絵描いて〜」、はケースバイケースなので一概に「仕事として○○万円」と返し辛いのが難点だ。

私の場合は絵はライフワークであり、私の作品を見た人なら分かる通り、私の表現スタイルのモチーフは動物や植物、世界観は抽象的だ。その画風無視で「絵描き=似顔絵」(西洋美術の肖像画の文脈ではなく)という悪気ない浅はかな人は多く、

「お絵描き(ココに意識の差)好きだよね ○○さんの似顔絵描いて〜」とDMもらうと断り方に難航しているうちに「忙しいのね(私のお誘いを断るなんて生意気怒)」と。

コレは男女歳上から何度もあった話、むしろ歳下はクリエイティブ職でなくても「こういう絵を描いて頂くことはできますか?謝礼は…」と最初からプロや本気の人達を尊重している。

(友人のお祝いやファンアートならサービスとして私も描くことあるんだけれど、それはあくまで主体的に描きたいから描くのであって、オーダーの場合は仕事扱い、もしくは自分の表現スタイルと違うから断らざるを得ない)



「それ、無料アプリでもできるでしょ?」「簡単で良いからデザイン作って」

PCを使ったり、ネット上で誰でも簡単に表現できることは素晴らしいと思うし、それに寄与する無料アプリや無料プラットフォームも社会的価値があり、私もプライベートで使っているが、

プロの仕事も「無料でちゃちゃっと」できるものだと勘違いした人達の多さに嘆く。

基礎知識、構成、実施計画と進行、ゼロからの素材作り、シビアな調整と責任etc… デザイン(や広告クリエイティブ)は総合的なものであり、その全てが組み合わさりアウトプットされるのでお金を払うべきで、短納期でもプロならではの計算とスキルで成り立っている。精神力も使うし。

その価値がわからない人達が勝手に無料で話受けてきちゃって、諭すと「私(俺)の友達だから、お世話になった先輩の頼みで、親戚だから」と。その不快感とやり場の無い怒り。


また、不勉強&無料アプリで作った事あるだけで「デザインします」、友達同士の遊び(収益化していない)の事を「○○のプロデューサー」等と言って、客(友達繋がりやネット繋がり)から仕事受けたがとても仕事として納品できるレベルでなく、客から泣きつかれてその尻拭いをプロが短納期でする羽目に。

(私も尻拭い経験が何回もある。途中投げ出し、字間と行間の基礎がなってないから縦読みと横読みが逆に、低画素で印刷に耐えないJPEG貼り、視点の流れや明度計画できてないから内容が目に入らない、個人動画サイトや趣味の遊びの告知等ならそれで良いがとても媒体に載せられるレベルにないデータを回され、一から作り直すのに素人価格しか予算無く、継続取引の為の営業サービスや上に言われて、等)

(景表法(無知)無視の思いつきをアイデアとしてやろうとした、カタカナ肩書きで誤魔化している実力無しのコネ枠の尻拭いなども)



また、私や知人がプロ(及び媒体社や諸々と繋がっている事)だと知ったイラストレーターやクリエイターの「ワナビーさん達」から何十人も「相談」受け、応援の意味込めて(もちろん無料で)仕事にする際の基礎知識や業界の知見からアドバイスを伝えてきた。(知人達も同様に対応していた)

しかし、ワナビーさん達は「ワナビーな状態、イラストレーターになりたい○○のデザインしたいという自分に酔っているだけで、本気でやる覚悟はない」事が多かった。

プロの知見は本来タダでは無いのに、本気でやらなきゃ仕事にならないのに、SNSで愚痴や体調不良ばかり書いてかまってちゃんモードもしくは、インフォメーションの無い作品アップだけで不親切で、仕事に穴あけそうなリスク垂れ流し。たとえ可能性ある作風でも、会社側としては(プロとしてアサイン)声かけられない。

(美術予備校時代の「プロ意識」という言葉を改めて噛み締める)

また、他のクリエイターの悪口や、お客様(消費者)目線で無責任にメーカーや商品をディスるのも同様。危なっかしくて仕事を振れない。(よほど飛び抜けて魅力的か、既に大きな実績ありなら少し事情が違うが)


他にも色々あるが、素人と玄人という言葉で感情的になる人達もいる事は承知の上で、「プロの仕事」を舐めるなよ、と言いたい。

Image by Pixabay