Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

阪本 正彦 オフィシャルサイト

ヘルマンとドロテーア

2024.05.02 06:52

「ヘルマンとドロテーア」ゲーテ著 佐藤通次訳(岩波文庫)より

…この指輪を形見に残して、二度と故郷に帰らぬようになったあの人は、思い起こされる値打のある人なのです。

自由を愛する心と、改革された新制度のうちで働こうという望みとに駆られて、パリの都に、そこでのちに牢屋に繋がれ命を捨てた(後略)…

 


この文からすると、シューマンが序曲の最後、フランス革命軍が去って行く様子だとする部分は、それのみでは無いことに気付く。

 

ドロテーアの亡き許婚が憧れ赴いたパリ、そしてその最中に亡くなることも予期しドロテーアに言葉を残したこと…まさしく、去って行くラ・マルセイエーズは許婚であった彼の面影でもあり、残してきたドロテーアがヘルマンと結ばれることになったことに、安堵して天に召される彼の魂でもあるのだ。

何故この曲がロ短調で始まり、ロ長調で終わるのかが、少し見えた気がする。

 

ゲーテ自身は暴力での革命には気に召さなかったようだが、叙事詩の題材として、そして時代設定に据えたのは、地位を超えた自由な社会を文化人として欲していただろうかと思う。

 

 

 

これが演奏にどう活かされるか、

7月6日土曜日相模女子大グリーンホールにて開催される、さがみはらフィル定期演奏会にお越しいただければ、幸いです♪


https://teket.jp/257/29488