上場企業の時給ランキング2019(vol.60)
社員クチコミによるリアルな残業時間を含む「時給」を算出。トップは初の時給8000円超!
要旨:
- 今年の時給ランキングはキーエンスの圧倒的1位という結果に
- 1位のキーエンスは昨年の7,083円からさらに金額が上がり時給8,000円超え
- トップ3はキーエンス、三菱商事、三井物産
- トップ10に総合商社が5社ランクイン(三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、丸紅、住友商事)
- トップ30のうち15社が時給5,000円超え
- トップ30の平均時給は5,363円となり、引き上げられた東京都の最低賃金(985円)の約5.4倍に
今回の調査レポートでは、上場企業の有価証券報告書とOpenWorkに投稿された残業時間データから、企業による公開情報だけでは知ることが難しい、残業時間も含めた労働時間による「時給」を算出しました。
時給算出方法
「時給」は、有価証券報告書による平均年収を、各社の標準労働時間及びOpenWorkに投稿されている平均残業時間(月間)から算出した年間勤務時間で割った金額です。
時給=平均年収 /{(月間標準労働時間 + 月間平均残業時間)×12}
上場企業の時給ランキング2019
※ランキングの評価点・クチコミ件数などは集計時点の数値となるため、「OpenWork」各企業ページで掲載している数値と異なる場合があります。
時給8,037円!平均年収2000万円超のキーエンスとは
今年の時給ランキングで1位となったキーエンスは、工場の自動化に必要な各種センサ、測定機器等の開発から製造、販売までを行う企業です。BtoBビジネスであるため企業としての知名度は高くありませんが、時給ランキングでも常にトップ10以内にランクインする「高時給企業」の常連です。業績は7期連続で最高益を出しており、それに比例するように平均年収も年々引きあがっています。今年はトップ30内で唯一の平均年収2000万円超となり、決して少なくない平均残業時間(61.5時間)であっても、唯一8000円台を突破。商社を押さえて初のトップとなりました。
「現在の平均年収は2000万を超えている。2年目で1000万超え、30ちょいで2000万超え。この年収カーブで計算すると生涯賃金は8億~9億になる。これは総合商社の約2倍に相当する。(開発、男性、キーエンス、年収2300万円)」
「ランク制。給料の半分以上が賞与である。そのため、会社の景気の良さが給料に大きく影響する。4半期に1回仕事の頑張りが評価される会があり、その評価は賞与に反映される。客観的に自分を評価する機会にもなるので、評価も納得感がある。世間で言われてる通りの高収入を得ることはできる。(開発、男性、キーエンス、年収1100万円)」
「基本給はそこまで高くなく、年収の約半分は年4回のボーナスによって大きく変わる。ボーナスの額は個人の営業成績によっても左右されるが、そこまで変化はなく、全社の業績によって左右されるところが大きい。そのため、個人でいくら頑張っても、不況により全社の業績が悪ければボーナスは下がり、逆に個人成績が悪くても、好況により全社の業績が良くなればボーナスは上がる。また、公平性の観点から福利厚生はほぼない。(営業、男性、キーエンス、年収1000万円)」
平均時給5,363円!高時給企業たちの給与事情
「終身雇用を前提とした日系企業の中では、最高レベルの待遇と言えると思う。駐在した場合には更に諸手当が付き収入が2倍になることも珍しくない。昇進してもしなくても、ある程度は年功序列で収入が上がっていき、純粋な収入面では大きな差が付かないシステムになっている。(営業、女性、三菱商事、年収1700万円)」
「年功序列で決定しています。20代は急激に上昇し、30歳になる頃にはほぼ全員が大台に乗るはずです。日本でもトップクラスの待遇だと思います。(経理、男性、三井物産、年収1200万円)」
「世間で知られている通り、額面での給与水準は、国内でもトップクラスであることは間違いない。ただし、他商社との横並び意識や関係取引先も多数にのぼることから外資系投資銀行等のように著しく高い給与水準となることはない。最近では、早朝出勤に伴う朝食補助、勤務時の服装(脱スーツ)、がんに対する取り組みなどいわゆる給与以外の点に対してのサポートを厚くしている。(管理部門、男性、伊藤忠商事、年収1300万円)」
「給料を求めるなら満足出来る社風かと思います。下がる事もないので、とても良いと思います。同期の中には2,000万円のメンバーも多かったです。同業他社の中でも高水準なので文句なしでした。成績は賞与にも反映させるので、年収が上がりやりがいが持てました。(営業、男性、三菱地所、年収900万円)」
「上場企業の平均年収比較でも、貰いすぎな水準だと思っている。ただし、その分、仕事量は多く、拘束時間は長い、且つ海外の長期出張(移動は休日)など、本部によりけりだが、ハードな環境であることは間違いない。 (営業、男性、丸紅、年収1200万円)」
「実力によって給料や賞与が変わってくるが、元々の金額が大きいため、同年代での給料に大きな差は出にくい。同年代の他企業の知り合いと比較しても給料水準は相当高く、この面では満足できる。(金属部門、女性、住友商事、年収1000万円)」
「仕事の内容の割に、給与はかなりいい方だと思う。(開発、男性、シンバイオ製薬、年収1400万円)」
「年収はやはり様々なランキングの上位の常連企業だけに、高水準。一方で、飛び抜けて高いのは一部のマネージングディレクターだけであり、そのほかは他のプロフェッショナルファームと同レベルと思われる。(コンサルタント、男性、GCA、年収1000万円)」
「30歳年収900万円。年収は良いと思う、成果を出せばボーナスも結構もらえる、ベースは年次と比例してあがる。(シニアアソシエイト、男性、ジャフコ、年収900万円)」
「仕事のやり方やプロジェクトを任せられるか否かは個々の能力に寄る部分が増えているが、給与は年功序列制に近く(一部、能力給はある)いずれにせよ待遇は他企業より良いと思う。いい意味で、失敗を恐れずに自由に仕事ができる。(マーケティング、男性、電通、年収1200万円)」
「賞与の割合が大きいです。最近は業績が悪くても賞与が下がりすぎない工夫がされているので、年収は安定しているように感じます。基本給は年々上がって行きます。(研究開発、男性、ファナック、年収800万円)」
「限度までは毎年昇給あり。転勤により転居した場合の家賃は基準内ならば全額会社負担。賞与は業績連動型。(営業部門、男性、サントリー食品インターナショナル、年収1440万円)」
「国内は本給と賞与のみで手当ては一切無しのシンプル体系。海外は概ね国内の1.5倍くらいのイメージで、それに加え家賃も会社負担なので楽。(部長、女性、双日、年収1700万円)」
「家賃手当、家族手当、残業手当等、全て完備されており充足された制度を提供されていると思う。賞与も年によって変わるが夏冬で8.5ヶ月分は支給される。不満のある社員はあまりいないのではないかとおもいます。(スタッフ部門、男性、三井不動産、年収980万円)」
「同業他社と比較してどうかは分からないが、年収が高水準な業界であることは間違いない。手当や福利厚生も充実している。ただし、基本的には年功序列であるため、20代後半~30代前半にかけて昇給スピードは遅く感じる。賞与はグレードにもよるが、個人業績だけでなく会社業績によっても変動する。(本社スタッフ、男性、アステラス製薬、年収850万円)」
「各種手当はありませんが、一部上場企業なので福利厚生は他の外資系企業よりも充実している気がします。賞与に関しては、営業は成績により、3カ月に一度の支払いとなります。昇給は基本的に存在せず、50人に一人くらい年に一度数パーセントの昇給がある程度です。(Sales、男性、日本オラクル、年収1000万円)」
「3年目~8年目(29歳)まではほぼ給料変わらず。働き盛りで他業種などに目移りする20代後半に給料の伸びを感じないが、30歳以降、多くの人が1000万を超える。(MR、男性、第一三共、年収890万円)」
「同業種に比べると比較的に給与水準は高く満足。残業代はみなし残業となるため出ない。昇給もしやすく、待遇面では満足度は高い。家賃補助などは専門職になると無くなるが、退職金制度もあり、その他の福利厚生も整っておりこれほど待遇が良い所はあまり無い。(専門職、女性、野村総合研究所、年収1000万円)」
「ボーナスは完全なる成果主義。外資系のそれと同じだが、職業柄妥当だと思う。給与は同業他社と比べてかなりいいのではないかと思う。ただし子供がいる家庭への手当てなどはなし。(MR、女性、武田薬品工業、年収1000万円)」
「役職がつくまでは、殆ど年功序列。残業代は出るので、残業をすればするほど収入は上がる。役職がついたら、成果報酬となる。比較的、若年層への給与が厚く配分されている。(営業、男性、三洋貿易、年収850万円)」
「賞与は業績連動型になります。景気の良い時は年間のボーナスが500万超えることもあります。なお、上層部になるとケタが違うので夢はあります。競合の外資企業と比べると年収は低いですが、国内の他社メーカーと比較すると恵まれている年収と思います。(マーケティング、男性、東京エレクトロン、年収1200万円)」
「30歳位で残業代込みで年収700万円位、35歳位でマネジャーとして管理職になるので800万円から900万円位、40歳前後でシニアマネジャーで1000万以上という感じですが実力主義ですので、シニアマネジャーになれるのは1、2割程度だと思います。(アセットマネジャー、男性、ケネディクス)」
「役割等級制度(7グレード)で管理職群(5~7等級)は昇級・降級がなければ給与は変わらず。定期昇給なし。手当の類はほぼ無し。管理職になると借り上げ社宅制度も適用外になるため、自己負担となる。賞与は業績連動+個人評価型(算式あり)。個人差はあるものの、概ね3~5年周期くらいで全国転勤しますので、住居については悩ましい問題となります。(販売部門、男性、伊藤忠エネクス、年収1000万円)」
「年功序列。仮に一時金を5ヶ月分、残業を20時間とすると、年収は30歳で800万円、35歳で1,000万円、40歳で1,150万円、45歳で1,300万円、50歳で1,600万円(順当に昇級していく前提)。(営業、男性、日本郵船、年収750万円)」
「メーカーの中でもトップクラス。単身の場合は寮、世帯持ちの場合は家賃7割ほどの住宅手当もしくは社宅手当がある。社宅の場合、ほぼ無料のようなもの。結果的に可処分所得はかなり増える。また、海外駐在すると若手のうちから同世代より遥かに多くの給与がもらえる。もちろん枠として多いわけではなく、赴任先の仕事はハードとなる。(マーケティング、女性、味の素、年収850万円)」
「業績連動で賞与の透明性は高い。成果がボーナスに反映されるので、コーポレート部門含め、社員が協力できる体制にあるとおもう。昇給は一年に一回、35歳くらいまでは毎年一万円ずつあがるようなイメージ。数年に一度昇格があり、TOEICや簿記や社内試験を通れば、昇格できる。昇格すると若手でも100万円単位で年収がかわってくるので早めに昇格していくことが重要。(金属、男性、豊田通商、年収1300万円)」
「年功序列で毎年コツコツ上がっていく。会社業績は油価と為替で大きく左右されるため、事業のマイルストーンが速攻会社の業績に結びつく訳ではない。したがって賞与も毎年大きな変化はない。(技術、男性、国際石油開発帝石、年収800万円)」
「大卒入社10年で550~600万円。残業時間により大きく差が出る。課長職から部長職以上の管理職であれば700~1000万円と比較的良い条件。典型的な年功序列。若手には魅力が薄いが、年を取ればそれなりに給与も保証されるので平均的な制度。(本社部門、男性、IJTT)」※合併前のアイメタルテクノロジーへの回答
データの集計について
データの収集方法
「OpenWork」の会社評価レポートへの回答を通じてデータを収集しています
- 社員として1年以上在籍した企業の情報であること
- 500文字以上の自由記述項目と、8つの選択項目に回答いただくこと
- 月間残業時間(実数)、有休消化率(実数)についても収集
対象データ
集計期間内にOpenWorkへのレポート回答が5件以上ある上場企業2179社を対象とし、有価証券報告書に記載されている平均年収データ(2017年度)と、各社の月間標準労働時間(標準労働時間×20日として集計)及びOpenWorkに投稿されている「平均残業時間(月間)」から「時給」を算出しました。標準労働時間は各企業採用情報等を確認し、職種・勤務地により異なる場合は代表的な職種または本社の労働時間を採用しています。時給は小数点以下四捨五入、平均年収は万円単位で掲載しています。純粋持株会社はランキングから除いています。