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東日本ボクシング協会

[見どころ!]井上尚弥 vs.ルイス・ネリ

2024.05.04 09:01

5月6日(月=振替休日)東京ドーム
4団体統一世界バンタム級タイトルマッチ
王者・井上尚弥(大橋)
vs.
挑戦者ルイス・ネリ(メキシコ)

井上=1993年4月10日、神奈川県出身の31歳。右ボクサーファイター型。戦績:26戦全勝(23KO)。

ネリ=1994年12月12日、メキシコ出身の29歳。左ファイター型。戦績:36戦35勝(27KO)1敗。

打撃戦の可能性大
初回から瞬き厳禁!

 4階級制覇の実績を持つ4団体統一世界スーパーバンタム級王者の井上尚弥が、元世界2階級制覇王者のネリを迎え撃つ。完全無欠の「モンスター」が予想どおり圧勝するのか、それとも世界が驚愕する大番狂わせが起こるのか。

 井上尚弥は12年のプロキャリアで26戦全勝(23KO)というレコードを残している。そのうち21度が世界戦(21勝19KO)で、目下7連続KO中だ。コロナ禍のなか2021年以降は5ヵ月~7ヵ月のスパンでリングに上がり、極めて高い次元で安定した強さを見せつけている。もちろん世界的な評価も高く、この数年は全階級のボクサーを横並びにして比較した強さランキング、「パウンド・フォー・パウンド」で常にトップ3の座をキープし続けている。今回は10ヵ月前にスーパーバンタム級に上げてから3試合目となり、調整も問題はなさそうだ。

 戦力チャートを作成した場合、スピード、パワー、テクニック、スタミナ、耐久力、戦術、経験値など満点が並ぶほどの高い戦闘能力を備えている。無理やり不安材料を探すとするならば、会場が東京ドームであるという点だろうか。井上尚弥は「4万人、5万人の声援をプラスにして、とてつもない試合をしたい」と話しており、それが妙な気負いにならなければいいのだが。

 ネリは山中慎介(帝拳)との2度の世界戦でルールを守れず日本のボクシングファンを敵に回したが、実績と実力に関しては挑戦者にふさわしいだけのものを持っている。特にチャンスをつかんでからの回転の速い連打は迫力十分で、ニックネームの「パンテラ(豹)」の捕食活動を思わせるものがある。バンタム級に続きスーパーバンタム級でも戴冠を果たしたが、ブランドン・フィゲロア(アメリカ)にボディブローで悶絶させられた苦い経験を持つ。しかし、その後は4連勝(3KO)と好調だ。常に自分のパンチを当てることを考えているサウスポーの攻撃型で、一定以上の耐久力も備えている。

 まずは初回の攻防に注目したい。早い段階で王者にダメージを与えておきたいネリは積極的に仕掛けて出る可能性がある。これに対し井上尚弥がどう対応するのか。勢いづかせないために左ジャブから右ストレート、左フックの上下打ちで応じるのならば早々から打撃戦になりそうだ。そうなった場合、もちろんネリの左右フック、アッパーには注意が必要だが、隙を突いて井上尚弥の左ボディブローや左フックがヒットすることになるだろう。試合開始のゴングから瞬き厳禁の試合になることは間違いない。(原功)