演じている側の意識
ごとうにんシアター『対話の入り口「演じる」』に参加してきた。会場は奈良にあるほんの入り口という本屋さん。実はこの店主さんの一人芝居を何年も前に観たことがあって、それをイベントが始まる前にお伝えすることができて嬉しかった。「あのときの~!?」と色んなところですれ違っていたことをやっと確認できた。
もう帰ってもいいな(よくない)と思いながらイベントが始まるのを待つ。意外と人が多くてびっくりした。大学のゼミみたいだった。
自己紹介するときって仮面をつけてますよね、という話を聞いたあとに自己紹介をする何とも言えない時間から始まった。演じている人の意識がよく分からなくて知りたいと思ったので参加しました、と簡潔に済ます。自己紹介で面白いことを言える人ってすごいと思う。
前半はごとうにんシアターの棚田さんと店主のハットリさんの話を聞く。演劇との出会いや演技をするようになったきっかけなどを聞いたあと、ハットリさんの一人芝居が始まった。『めくばせ』という題名で、こういう状況あるな~!と思いながら観た。察してほしいけど察してほしくない。放っておいてほしいけど放っておいてほしくない。永遠に観れるなと思った。
後半は参加者が好き勝手に発言する時間だった。演じるときは常に過去の感情を引っ張り出しているんですか?とハットリさんに聞くとそうではないらしい。(以下要約です。間違ってたらすみません)
演出家の反応を窺いながら演技をする、演出家が求めている演技をする、一人で演技をしているとよく言われた、演技プランを決めてしまっているので相手がどういう風にセリフを言っても同じ演技しか返せない、木の役は楽しかった、木だから何をしてもいいし相手との掛け合いもない、好き勝手にできる。
それはものすごく一人芝居向きなのでは、と思った。相手がいなくても演技が出来るのはすごいと思う。
棚田さんの演じている自分を客観的に見ている自分がいるという話も面白かった。自意識が邪魔をして演技できなくなるというのはちょっと分かる。『演劇の入り口』に参加したとき読みあわせをしたことがあって、あのときはわざとらしくセリフを読み上げている自分を見ている自分がいたなと思った。もう多分二度とやらないと思う。下手くそすぎて嫌になるので。
ゲストの風間さんの「変身」という話を聞いて感じたのが、役割を演じるのは出来るなと思った。制服を着て店員を演じるのは多分自然に出来る。いつもやってることだから。演じるということはそれに近いのかな?意識して演じようとするとわざとらしくなるのかも。
二時間があっという間だった。演じている人の意識がちょっと分かった気がする。他の人の話も聞いてみたいなと思った。