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やよいの日々

蕪村の花いばら

2024.05.06 00:08

散歩道に、今年も花いばらが咲きました。

私は密かに、「蕪村の薔薇」と呼んでいます。

愁つつ丘に登れば花いばら   与謝 蕪村

何と瑞々しい少年の様な句です。これが300年前の俳人の句とはとても思えません。


心が塞いだ時の表現に「愁い」と「憂い」がありますが、「愁い」は訳も無く物想いに沈むこと。「憂い」は不安や心配ごとに具体性があると言う使い分けがあることを知りました。

一説には、少年の物思いは「愁い」。老人の場合は「憂い」なのだそうです。

蕪村の、花いばらの句が青春のウレイを感じさせるのは「愁」の言葉選びにあるようです。

同音同義でありながら、ニュアンスが違う日本語の奥深さを感じました。