「過去動画」から収益を得る、新興エンタメ企業のやり方 :「同じ獲物から30回、毛皮を剥ぐようなもの」《公式》
大塚和成です!!
DIGIDAY[日本版]
「過去動画」から収益を得る、新興エンタメ企業のやり方 :「同じ獲物から30回、毛皮を剥ぐようなもの」
「過去動画」から収益を得る、新興エンタメ企業のやり方 :「同じ獲物から30回、毛皮を剥ぐようなもの」
何かをひとつ制作し、そこから何度も収益を得る。これはハリウッドで長年成功してきたビジネスモデルだ。デジタル・エンターテイメント企業たちは、このモデルをYouTubeなどのプラットフォームのために制作した大量のビデオに適応させようと試みている。
バイアコム・デジタル・スタジオ(Viacom Digital Studios)やポケットウォッチ(Pocket.watch)は、YouTubeで1回パブリッシュしたビデオをSnapchat(スナップチャット)やHulu(フールー)、Amazonプライムビデオ(Amazon Prime Video)に配給することで収益を得る、つまりシンジケーションを行っている。ジューキン・メディア(Jukin Media)、ザ・ヤング・タークス(The Young Turks)、テイストメイド(Tastemade)もまた、彼らがこれまでに制作したビデオを集めて、彼らのOTTアプリやYouTube TV、プルートTV(Pluto TV)といった動画プラットフォームで、24時間ストリーミングチャンネルを作り上げている。
「完全に注文品であるようなコンテンツを制作せず、ひとつのコンテンツをより多く配給すればするほど、経済的には良くなる」と、バイアコム・デジタル・スタジオのプレジデントであるケリー・デイ氏は言う。
ジューキン・メディアはこの考えに基づいて効率的に設立された。ユーザー発信のビデオ権利を買収したり、テレビプロデューサーやその他の企業にライセンス貸出をすることで利益を生むようになったのだ。1年半前、ジューキン・メディアはビデオをパッケージングする知識と経験を活かし、彼らのコメディブランドであるフェイルアーミー(FailArmy)のプログラム開発に取り組んだ。そこからさらに、動物を中心に据えたザ・ペット・コレクティブ(The Pet Collective)というリニア放送のストリーミングを加えている。プルートTV、XUMO、AmazonのTwitch(ツイッチ)、自社のプラットフォームといった広告対応の場所に配給することで、再パッケージされたコンテンツ群は彼らが持つ5つのYouTubeチャンネルよりも大きな収益を上げている。「猫に残酷(な例え)だけど、猫のビデオがひとつあったら、その猫から30回違う方法で毛皮を獲得するようなものだ」と、ジューキン・メディアのCEO、ジョナサン・スコグモ氏は語る。