筋の緊張を維持するために
筋力の向上に有効な方法としてTUT(Time Under Tension 筋の緊張の継続時間)を考慮するトレーニングは有効なメソッドの一つです。
可動域全体で反動をつけずゆっくりと動作をする「スローテンション法」などTUTを意識したメソッドを使うことも有効です。
ただトレーニングをする際に使うレジスタンス(抵抗)として使う負荷の種類によって、運動動作の全可動域のどの部分で最も負荷が高まるのか?どの角度で負荷が弱まるのかは変わります。
例えば「オーバーヘッドプレス」の場合、レジスタンスがダンベルだとすると、関節に対する物理的な重量負荷が最も高いのは上腕が床と平行の時ですね。
これは筋の収縮の度合いとは異なります。
しかし同じ「オーバーヘッドプレス」をチューブなどの張力負荷を用いた場合、チューブが大きく伸びた時に負荷がかかるので、ダンベルで最も大きな負荷がかかる上腕が床と平行よりもさらに上に挙上した時の方が負荷が高くなります。
このようにレジスタンスが変われば、全可動域の全可動域の中で筋の緊張する角度に変化が起こるわけです。
そこでこのダンベルとチューブのレジスタンスを同時にかけると、お互いの負荷が弱い角度について補い合う形になり、結果として全可動域での筋の緊張が高くなりTUTを高めることができるのです。
ここでは「BODYBOSS」のニーリングオーバーヘッドプレスをダンベルを持って実施しています。
TUTを活用し、ベースとなる筋力そのものを高めるトレーニングは、総合的な体力づくり・動きづくりのトレーニングの初期段階では重要なプロセスで、目的が筋肥大などではない場合も、一定期間筋力向上に集中する期間を設けるようなピリオダイゼーションのプログラミングをすることが有効です。
そのためにエクササイズごとに「どの角度で強い負荷がかかるのか」を理解し、それを利用し負荷を高める方法をご紹介しました。
参考になれば幸いです。