「待遇の満足度」職種ランキング(vol.46)
待遇における日本のベスト・ジョブは?待遇に満足している職種とは?
要旨:
- 待遇の満足度が高い職種第1位は「CIO・CTO」、第2位は「CFO・コントローラー」、第3位は「弁護士・弁理士」
- ITエンジニアカテゴリから「データアナリスト・データサイエンティスト」が9位にランクイン
- 過去5年における待遇の満足度はほとんどの職種で上昇傾向
AIの進化やテクノロジーの発展により、現在の職業のうち約半分がなくなるという研究結果が発表されています。先行きが不透明な人生100年時代、さらに大きな人材流動化の波が待ち構えています。どの会社に入るかだけでなく、どの職種に就くかによっても、その後の人生が大きく左右されていくでしょう。
「新卒一括採用の総合職」として入社し、配属で職種が決まるという受け身の選択ではなく、自らプロフェッショナルとして先手必勝で職業を選択することが求められています。
今回の調査レポートでは、職業選択の参考のために、職種ごとの待遇満足度からランキングを作成し、職種によってどのような差があるのかを調査しました。
上位は「経営に近い」職種。注目は「データサイエンティスト」
待遇に満足度が高い職種として上位にランクインしたのは、より経営に近い職業となりました。1位、2位、6位にCIOやCFO、CEOなど、「CxO」と言われる経営層がランクインし、4位に組織・人事コンサルタント、10位に経営・戦略・業務コンサルタントなど、会社経営のコアに携われる職業が入りました。5位のIRや8位の内部監査も組織のマネジメントに密接にかかわる職業です。
そんな中、ITエンジニアカテゴリから「データアナリスト・データサイエンティスト」が9位にランクインしました。AIの導入が急速に進んでいくこれからの社会に対し、データ収集の設計や検証ができる「データアナリスト・データサイエンティスト」は各社奪い合いとなっており、優秀な人材の獲得のために必然的に待遇が向上したことがうかがえます。
データアナリスト・データサイエンティストの社員クチコミ
「仕事のやりがいはかなり高いと思います。仕事の希少性・ビジネス価値が非常に高いです。(男性、データサイエンティスト)」
「サービスを改善する上で、根本的に何が問題なのかを探すことから考え、自分で手を上げて動いていく事ができる所に魅力があった。(男性、データサイエンティスト)」
「待遇の満足度」職種ランキング
待遇の満足度は全体的に上昇傾向
職種カテゴリで待遇の満足度評価の推移を見てみると、過去5年間で概ねすべての職種が上昇傾向にあることがわかりました。好調な景気や給与水準の引き上げ、さらには昨今の長時間労働の抑制によって、以前と比べて相対的に満足度が上昇したことが考えられます。しかしメディカルとサービス・小売・運輸では上昇が見られませんでした。
データの集計について
データの収集方法
「Vorkers(現:OpenWork)」の会社評価レポートへの回答を通じてデータを収集しています。
会社評価レポートの回答条件は下記の通りです。
- 社員として1年以上在籍した企業の情報であること
- 500文字以上の自由記述項目と、8つの選択項目に回答いただくこと
以下の2つのデータについても収集しています。
- 月間残業時間(実数)
- 有休取得率(実数)
対象データ
Vorkers(現:OpenWork)に投稿された会社評価レポートのうち、2017年に現職または1年以内の退職として回答のあった65,750件を対象データとしています。推移グラフは同条件で2013年から2017年までの回答217,730件を対象にしています。