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平成を振り返る、日本企業の「躍進」と「衰退」の理由(vol.59)

2019.04.24 05:00

躍進したビッグ4、沈んだレガシー

要旨:


Photo By Tokumeigakarinoaoshima

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バブルの絶頂と崩壊から始まり、日本として国際競争力を下げ続けた平成の約30年間。今回の調査レポートでは、平成の間に時価総額を大きく拡大させた「平成ビッグ4企業」と、平成元年では時価総額ランキング上位であったものの今では上位から姿を消してしまった「レガシー企業」をピックアップし、評価スコアと社員クチコミから組織の特徴を分析しました。躍進できた理由、後退してしまった理由を探ります。


評価点が高い平成ビッグ4。レガシー企業は「若手の活躍」に課題あり

平成に躍進し、現在高い時価総額を誇る「平成ビッグ4企業」として、ソフトバンクグループ、ファーストリテイリング、キーエンス、リクルートホールディングスをピックアップ、反対に、時価総額ランキング上位から姿を消してしまった「レガシー企業」として、東京電力、東芝、三菱重工業、日本製鉄をピックアップしました。


両者を比較すると、「平成ビッグ4企業」は、「レガシー企業」よりもスコアが高い傾向にありますが、特に「20代成長環境」、「社員の士気」、「人事評価の適正感」、「風通しの良さ」の4項目で両者の差が大きく開いています。競争力ある組織を構築し、若手社員を活かすことができた「平成ビッグ4企業」と、昭和のシステムを残したまま、若手を活かすことができなかった「レガシー企業」という構図がうかがえます。


変化を求める声、レガシー企業社員の持つ危機感

新しい時代の令和に向け、各社社員は何を思うのか。Vorkers(現:OpenWork)に寄せられた「経営者への提言」を見ると、「平成ビッグ4企業」からは現状に甘んじず変化を求める声、「レガシー企業」からはこれから生き残っていくために何をすべきかなど、社員が感じている課題が見えてきます。


「創業期から成長期を経て、次なる成長のステージを目指している段階だと思います。より多様な人材を獲得するために、報酬だけではない価値を提供すべきだと思います。(経営企画、男性、ソフトバンクグループ)」


「失敗を恐れずチャレンジする精神が社員全員に浸透すればまだまだ伸び代あると思います。社長からのメッセージが聞きたいです。どんどん発信してほしいと社員は思っていると思います。(接客、女性、ファーストリテイリング)」


「働き方の多様化が急務。ライフステージに応じたフレキシブルな働き方を認めること。長時間労働を良しとする企業文化を早急に改善するべき。(営業、男性、キーエンス)」


「成長がすべてのように感じる。人の幸せの多様性も考慮した企業文化がこれからは必要になるのでは。(マーケティング、男性、リクルートホールディングス)」


「社員の評価制度を根本的に見直し、より信賞必罰を徹底すべき。また、戦力外の年配者が多すぎ、若手のモチベーションが低迷していることも改善していただきたい。(事業企画、男性、東京電力)」


「覚悟を決めて、どの分野で活路を見出していくのか明確にすべき。かつての大企業としてのプライドは捨てる方が良い。(コーポレートスタッフ、男性、東芝)」


「優秀なエンジニア・事務職は多々いるので、彼らにどんどん仕事を任せて経験を積ませてあげてほしい。コンサルに組織改編や改革の意見を求めるのも良いとは思うが、次を担う若手にそのような機会を与えてあげれば、彼らがそれを持ち帰り各事業で同じように改革をするという好循環が生まれると思う。(化学プラント、男性、三菱重工業)」


「経営者が従業員から遠すぎて、現場の声がきちんと届いていない。対話する機会を自身で設け、なにが労働現場で起きているのかを把握したほうがよいと思われる。(マネージャー、男性、日本製鉄)」


データの集計について

データの収集方法

「Vorkers(現:OpenWork)」の会社評価レポートへの回答を通じてデータを収集しています。

会社評価レポートの回答条件は下記の通りです。

対象データ

Vorkers(現:OpenWork)に掲載されている各社の評価スコア及び残業時間・有休消化率をまとめています。(2019年4月集計時点の数値となるため、Vorkers(現:OpenWork)各企業ページで掲載している数値と異なる場合があります)

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