もめている相続「アレをしてもらおう」~アメブロゆる相続のすすめ~
相続人間で争いがある場合、遺産分割協議がまとまらなければ最終的には裁判です。この場合、基本的には法定相続分相当(特別受益に該当する贈与がなかった場合等)になります。
相続放棄をすれば、その者ははじめから相続人ではなかったことになるので、他の相続人が相続放棄をするのを喜んだり、安心したりする人がいます。中には、他の相続人に相続放棄をするようにお願いする人もいたりします。遺産分割に参加する相続人が減り、自分の相続分が増えるからです。ただ、相続放棄しなかった相続人の相続分も増えてしまうことを忘れてはいけません。
例えば、
相続人が子供4人のときの法定相続分は各1/4です。次男は親との折り合いが悪く、問題を起こして家を出てしまいました。ですが、今回の相続に関し、二男は法定相続分を絶対に譲るつもりはありません。三男、四男は何も相続する気がなかったので、相続放棄をするつもりでした。長男もそれを望んでいて、三男、四男に相続放棄をしてほしい旨を伝えました。仮に三男、四男が相続放棄をした場合、長男の相続分は1/2になりますが、二男の相続分も1/2になってしまいます。
遺言もないし・・・。
このまま裁判までなって、あの二男と折半なんて。
長男にとってもっと有利になる方法はないのでしょうか?
二男の相続分を1/4そのままにする方法?
それは、
「相続分譲渡」です。
三男、四男に相続分放棄をしてもらうのではなく、
各自の相続分(1/4)を長男に譲渡してもらえばいいのです。
こうすれば、長男の相続分は3/4、二男の相続分は1/4となり、
裁判になっても基本的にはそのとおりの結果になります。
「相続分の譲渡」は積極財産と消極財産とを包括した遺産全体に対する譲渡人の割合的な持分が譲受人に移転し、相続分を譲渡する相続人は遺産分割をする立場から脱退することになります。なお、相続分の譲渡は有償、無償は問いません。
相続分の譲渡と相続放棄は、遺産分割に参加しない点では同じだし、相続放棄のような3ヶ月の期限がないからいいや。ということになりそうですが、相続分譲渡をする側にとって注意しなければいけないのは、債務は、債権者に対抗できず譲渡人と譲受人の連帯債務になってしまう点です。
他にもいろいろ注意しなければいけない点はありますので、実際には、相続の専門家にご相談しながら進めていただくのがいいと思います。どんなことでもメリット、デメリットはありますので。
今日のところは、「相続分譲渡」といものがある。ということを頭の片隅においてもらえたらオッケーだと思います。
相続分譲渡といったらの
川崎市麻生区新百合ヶ丘稲城市
司法書士田中康雅事務所がお届けしました