カプセルホテルが進化中!室内で「立ち上がれる」部屋も《公式》
大塚和成です!!
ダイヤモンド・オンライン
カプセルホテルが進化中!室内で「立ち上がれる」部屋も
かつてのカプセルホテルのイメージを覆すファーストキャビンの個室 Photo by Megumi Kamon
かつてカプセルホテルは「終電を逃したサラリーマンが使うもの」というイメージだった。ところが、外国人旅行者の増加、女性需要の高まりなどにより、カプセルホテルは変わりつつある。そこで今回は、快適さへの追求を推し進めている進化系カプセルホテルにスポットを当てた。(トラベルジャーナリスト かもん恵)
● 個室内で立ち上がれる! 「一段式」進化系カプセルホテルの快適
カプセルホテルというと、以前なら「終電を逃した会社勤めのおじさんが利用するもの」というイメージだっただろう。ところが、女性でも気軽に泊まれるように工夫を凝らした進化系カプセルホテルの人気が高まっている。
さらに、外国人旅行者の増加、LCCや格安高速バスなど廉価な移動手段の台頭に伴う宿泊の多様化、女性需要の高まりなどにより、新たな客層を獲得した進化系カプセルホテルの店舗数が着実に増加中だ。
進化系カプセルホテルの先陣といえば、2009年、大阪に第1号店をオープンさせたファーストキャビンだろう。店名の通り、飛行機のファーストクラスとビジネスクラスをイメージした個室の“キャビン”は、そのスタイルがもはやカプセルではない。
最も特徴的なのは、カプセルホテルの定番である上下二段式のベッドをやめ、一段式にした点だ。ビジネスキャビン(写真)の幅はほぼベッドの幅と同じ1.2mだが、天井高は2.1m。ファーストキャビンに至っては幅2.1m、高さ2.1mで、スーツケースも持ち込めるほどゆったりとした個室空間となっている。
カプセルホテルのカプセル式簡易ベッドは日本独自のスタイルだ。横になってしまえば、意外に「狭さは気にならない」という声が聞かれたり、火事になりにくい素材を使っていたりと、工夫を凝らしている。
とはいえ、男女問わず大柄、あるいは体が硬い人にとっては、寝起きやトイレの度に体を丸めて潜り込んだり、這い出たりするのが一苦労という面もあったはず。その不安や手間を解消させたのがこの一段式ベッドというわけだ。
もちろん、風呂や洗面、トイレなどは共有で、各個室にカギもかからないという点では、簡易宿所営業たるカプセルホテルなのだが、上または下に人がいないというストレスのない状況は、性別や年齢を問わず好ましい環境といえるだろう。
さらに女性やビジネスマンの「宿泊にお金をかけたくない」気持ちを汲み取ったこと、鉄道の駅から近い立地条件ということもあり、新たな需要を掘り起こすことに成功している。その成功例が進化系カプセルホテルの1つ、ファーストキャビンというわけだ。
ファーストキャビンは現在、東京の10軒をはじめ、大阪4軒、京都3軒、愛知、石川、和歌山、福岡、長崎、北海道各1軒の計23軒を展開。最新施設は11月15日にオープンしたファーストキャビンTKP市ケ谷と11月22日にオープンしたファーストキャビン ニセコ・ぽんの湯となっている。
● キューブの下にスーツケースを収納できる ラゲージスペースを設置
女性専用フロアの導入や公共スペースの充実といった個性的なカプセルホテルが増える中、ベッドを全面的に一段式にしているカプセルホテルは、実はまだ多くない。そんな現状の中、「MyCUBE by MYSTAYS 浅草蔵前」もファーストキャビンと同様、一段式ベッドのスタイルを取り入れている。
ホテルマイステイズやフレックステイインなどのブランドで全国に89のホテルを展開する、マイステイズ・ホテル・マネジメントが手がけたカプセルホテルは、2016年6月にオープンした。ここでは個室を“キューブ”と呼び、ベッドの幅は約1mだが、高さは約1.5mを確保。ベッドが2ステップ高くなっているのは、各キューブの下にスーツケースを収納できるラゲージスペースがあるからだ。