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INUTONEKOTO

デザイナーの菅村さんと夏目

2015.09.30 05:51

今回登場する猫は、ちょびヒゲ模様がチャームポイントの夏目ちゃん。その名前は、小説「吾輩は猫である」を残し、自身も立派な口ヒゲをもつ夏目漱石に由来しているのだそうです。昨年から夏目ちゃんと暮らし始めた飼い主の菅村さんは、猫を飼うのはこの子が初めて。彼がそれまでに抱いていた猫に対する気持ちを大きく変化させたという、夏目ちゃんの魅力に迫ります。

ちょびヒゲ模様の女の子


──猫を飼おうと思ったきっかけから教えてください。

全然かっこいい話じゃないんですよ。彼女と別れて淋しいなと思っていた頃、友人2人と猫の話をしたのがきっかけ。その内1人はすでに猫を飼っていたんですが、もう1人の友人も「猫を飼いたいんだよね」と言い出して。ちょうど僕自身も同じことを考えていたタイミングだったのも重なり、そのときの猫談議から気持ちが加速したんです。

それで早速インターネットで保健所や里親募集サイトを調べたんですが、”選びたい放題”ってくらいめっちゃかわいい猫がいっぱいいました。でも問い合わせてみて初めて知ったんですが、動物譲渡のルールで“単身者には譲れない”というのがあって。残念ながら僕は、譲渡対象からはずれてしまったんです。

──では別の方法で探されたんですか?

次にツイッターを使って「#里親」と検索してみたんです。犬や猫を拾ったり、何かしらの理由で飼い主が決まらず困っている人がいるのではと思ったので。


──へえ! イマドキな……というか、なるほど、そういう探し方もあったんですね。

そしたら「子猫拾いました」といった内容のツイートがけっこうあって。そこから半月くらい、地域を限定して猫探しをしていました。

──猫を飼いたくて仕方なかったんですね。それで夏目ちゃんとの運命の出会いは?

いつものようにツイッターで検索していたら、ある日ツイッターにインスタグラムのURLが付いているのを発見して。そこで気づいたんですが、インスタだとハッシュタグを付けてソートすると、写真だけを一斉に見ることができるんですね。で、ようやく出会えました、夏目に。見つけたときは「この子だ!」ってピンと来ました。あと、なんだこのちょびヒゲは!って(笑)。

──子猫のときからちょびヒゲ模様があったんですね!

たしかこのとき生後数週間だったと思います。この子を見つけてすぐ、写真をアップしていた方に連絡をしたら、まだ里親は決まっていないと返事が来ました。ただ以前の譲渡ルールのこともあったので、自分の身の上のことはきちんと説明して、その上で引き取りたいと伝えたら、「いいですよ」と言ってくださったんです。

──インスタに夏目ちゃんの写真をアップしていたのはどういう方だったんですか?

都内の美容室で働く美容師さんでした。千葉県に住む、その方のお祖母さんの家で産まれた子猫の里親を、代わりに探されていたんです。というのも、そのお祖母さんの家では数匹の猫を飼っているそうなんですが、当時メス猫2匹が同時に妊娠したらしく。それで子猫もいっきに増えたため、愛情をもって育ててくれる人を募集してみようか、となったみたいです。

初めての猫との暮らし


──菅村さんは今までに猫を飼ったことはあったのですか?

いえ、今実家に猫が1匹いるんですが、僕が上京したときに飼い始めたので入れ違いで。というか、もともと僕は犬派なんですよ。昔の務め先にボストンテリアがいたんですが、僕は仕事よりも “その子に会いに会社に行っていた”と言ってもいいくらい、犬が好きでしたね。

それに対して、猫のことはそれほど好きじゃなかったんです。猫は人に懐かないとか、愛情をかけても返ってこない生き物という印象があったので、飼ったとしても逆に僕が淋しくなるんじゃないかって思っていて。でも実際夏目を飼い始めたら……。


──どうですか?

めっちゃ可愛いです(笑)。


──菅村さんにとっては初めての猫ですが、飼い方や準備は大丈夫だったんですか?

そこはネットで検索したり、猫の書籍を購入したり、猫を飼っている先輩に聞いたり。とにかく調べまくりました。

──トイレの場所などすぐ覚えるものなんでしょうか。

一度じゅうたんの上でされちゃったこともありましたが、おしっこをしたトイレシートを猫用のトイレの砂に移して匂いを付けたら、すぐ覚えましたよ。ただ爪とぎが……。


──苦戦しました?

なかなか覚えてくれなかったです。夏目を爪とぎする場所まで連れっていって「夏目、こうするんだよ」って手取り足取り何度も教えましたね。この家に引っ越してきたばかりの頃は、壁の下側全面に透明の“爪とぎ防止シート”も付けていたんですが、今はもう外していても大丈夫です。

人格ならぬ“猫格”ができるまで


──夏目ちゃんは人懐っこいほうだと思うのですが、何か理由があるんでしょうか?

生後5週目から約2ヶ月までに“人格”ならぬ“猫格”ができるから、その間にいろいろな人の匂いを嗅がせると、人に慣れるよって書いてあったんです、『子ねこのきもち(ベネッセコーポレーション)』という本に(笑)。夏目が家に来たのが生後4週目くらいだったので、友人たちに「夏目に会いに来て」と声をかけて交互に家に呼んでは、夏目をたくさん人に会わせました。ホームパーティもよくやりましたよ。


──その効果がありましたね。

そうですね。実家の猫は、人が来るとタンスの奥や食器棚、テーブルの下に隠れちゃうけど、夏目はそこまで警戒心はないですね。

──菅村さんはご自宅が仕事場でもありますが、日中は夏目ちゃんとどのように過ごしていますか?

僕はずっとパソコンの前で作業をしているんですが、夏目はだいたいプリンターの上で寝てますね。猫がよくする“スリスリ”や“モミモミ”はしてこないけど、いつも近くにはいる感じです。


──甘えて来たりしないんですね。一緒に寝ることもないんですか?

冬は布団に入って来るけど、今は暑いから適当にごろーんと寝てますね。ソファーの上だったり、下だったりとお気に入りのポジションもよく変わるんです。以前はベッドの裏にも行けるようにしてたんですが、気に入りすぎて出てこなくなっちゃうから、そこは封鎖しました。


──狭いところが好きというわけでもなさそうですね。

子猫の頃は箱に入ったりしたんですが、今は全然。ここで楽しめよって、スニーカーの空き箱に餌を入れてあげても、餌だけ食べて出てきちゃいました。袋や、カシャカシャ音も好きじゃないし、最近はおもちゃに対しても反応が薄くなってますね。

この顔のキャラクターを演じてる!?


──夏目ちゃんのどんなところが好きですか?

夏目のことを抱っこさせてもらえるのは僕だけ。そういうところ、いいですね。夏目にとって特別な存在なんだなって感じます。あと夏目って絶対自分の顔がどんな顔をしているか、わかってないじゃないですか?


──はいはい!

ふと夏目のほうを見たら、おっさんが爪を切ってるみたいなポーズで、テレビを観ていたりするんですよ(笑)。女の子なのに! なんかもう、この顔のキャラクターを演じてるんじゃないかなって思えてきちゃう、そんなところも魅力です。

──そうすると、夏目ちゃんを人間に例えて言うなら……?

おっさん(笑)。僕のインスタにも載せていますが、だいたいひっくり返った状態で寝そべっています。

──では逆に困っていることはありますか?

「オイデ」が通じないので、せめてそのくらいは覚えてほしいなって思いますけどね。


──教えていますか?

はい、夏目が来てからずっと。でも「オイデ」は通じないんですよ。それなのに「ゴハン」はすぐ覚えました(笑)。ゴハンって僕が言うと夏目は、餌の器がある場所へ行くか、餌を収納しているほうへ走っていきます。あと「ナツメ」と呼ぶと振り向くので、自分の名前も理解しているみたいですね。“ナツメ”と“ゴハン”しか……。

──都合のいいことだけ覚えているんでしょうか(笑)。ところでさきほど、最近夏目ちゃんはおもちゃへの興味も薄くなっているとおっしゃっていましたが、何か今はまっていることはありますか?

猫用のテントですね。実はこのテント、もともと僕の先輩の物だったんですが、僕が持っていたキャットハウスと交換したんです。そこそこいい値段がしたのに、それぞれの猫たちは全然使ってくれなくて。ただの置物になっているなら、試しに一度交換してみようかってことで置いてみたら、夏目はめちゃくちゃ気に入りましたね。

しょっちゅうこの中へダイブしてるんですよ。芯の竹も一度折れ、布も破れるくらいはまってます。屋根から顔を出してニャーって鳴くんですが、それがまたかわいいんです。

──蝶ネクタイもよく似合っていますね。

最初は子猫用の普通の首輪を付けて慣れさせてから、今の物に交換したんです。交換するとき、夏目は女の子だから、赤とか派手なのもいいかなって迷って。販売しているWEBサイトの蝶ネクタイの写真を、夏目の顔写真に合成しながら……


──!!

どれが一番似合うかなって(笑)。


──仕事っぽいというかデザイナーっぽいというか。どの色が似合うか全色試してみたんですか?

検証した結果、やっぱり黒でした。

すっかり猫派に転身


──夏目ちゃんの健康面で気を付けていることがあれば教えてください。

昨年の12月に避妊手術をしたせいか、最近太ってきたので餌の量は気を付けています。1日2~3回、量を測ってあげるように。今体重は5キロくらいなんですが、獣医さんも夏目の頭の大きさからいうと、もう少し痩せていてもいいかもと言っていたので。


──当初、猫はあまり好きじゃなかったという菅村さんですが、今、夏目ちゃんはどんな存在ですか?

娘ですね。いつか夏目と自分の子供を一緒に育てたいです。

──楽しみです! 夏目ちゃんと暮らすようになって約1年経ち、ご自身に何か変化はありましたか?

今まで猫関連のイラスト展や展示には興味がなかったのに観に行くようになりましたね。知り合いが出展していたのもありますが、先日開催していた『CAT POWER』展にも行きましたよ。

あと、掃除をよくするようになりました。この部屋も白いし、夏目の毛も半分白いからさほど気にならなかったんですが、僕が思っていた以上に夏目の抜け毛が多くて。それに気づいてからは週2~3回、掃除機をかけたり、モップがけをしたり、小まめにやるようにしています。あと何よりも根っからの猫好きになりましたね。

CAT'S PROFILE

夏目
2014年4月生まれ/雌

OWNER’S PROFILE
菅村 将哉さん (アートディレクター/グラフィックデザイナー)
1985年大阪生まれ。大阪市立工芸高等学校プロダクトデザイン科を卒業後、上京。専門学校にてグラフィックデザインの基礎を学んだのち、GRIND Inc.、RISSIINC.にて広告、パッケージデザインを中心に様々なデザイン制作に携わる。2012年春より、フリーランスのアートディレクター/グラフィックデザイナー「hito_to(ひと_と)」として活動開始。
http://www.hito-to.me/   Tumblr http://hito-to.tumblr.com/  Instagram @hito_to


Interview, Edit: Tomoko Komiyama / Photo: Jun Takahashi / Translation: Chiyoko Kimura


Graphic Designer Masaya Sugamura and his beloved cat Natsume


We are happy to introduce Natsume that has a charming short mustache. Her name came after the famous author “Soseki Natsume” who published a long seller publication “I’m a CAT”. He had a nice but long mustache himself. Mr. Sugamura started living with Natsume since last year 2014 and it is his first time living with a cat. It seems that Natsume changed his images towards cats. We are very happy if you could enjoy the story of Natsume and her owner Mr. Sugamura.


A girl with a short mustache


──What made you have a cat?

Nothing really cool to talk about but I was a bit lonely after breaking up with my girlfriend and I was just thinking about having a cat. Around the same time, some of my friends and I met up and we were talking about how it will be to have a cat. One of them already has and the other one was thinking about it. That cat-chatting was a quite good chance to start seriously thinking about having a cat. Then, I started looking through the internet for a cat in shelters or cat adoption groups. There were so many adorable cats that I could find and contacted them. However, I found out that there was a rule in some shelters when adopting a cat that you can’t if you are single.


──Well, then what did you do?

I searched on Twitter with “ #petadoption”. I thought there should be some people who need to find someone who can adopt a dog or a cat.


──I see. I don’t know what to say but it’s a very modern way to look for a thing.

I actually found many tweets saying “I found a kitten”. I would say for half a month, I kept looking for a cat in limited regions.


──I can imagine how much you wanted to have a cat. Could you tell me how you met Natsume?

I was searching on Twitter as usual. There was a tweet with URL for Instragram attached. I didn’t know first but found out that if you sort with hashtag on Instragram, you can get to see a list of photos. When I saw Natsume on the photo, I felt like “This is it!!” and I was like “What?! ” What a short mustache she has!! (laughs)


──She always had a short mustache!!

I think she was only a few weeks after birth at the time. I contacted to a person who uploaded the photo right away and asked if she was still looking for a family for Natsume. The answer was yes and I remembered a rule from the shelters so I told her that I am single. She seems comfortable about it and said yes.


──Do you mind telling me what type of person was uploading a photo of Natsume?

She was a hairdresser working in Tokyo. Her residence is in Chiba-prefecture. Her grandmother has a few cats and two of them got pregnant around the same time. So her grandmother and she decided to look for a family who will love the cats and adopt them. So basically she was looking for a family on behalf of her grandmother.


First time to live with a cat


──Have you had a cat before?

Actually, no. My parents got a cat when I moved out to Tokyo. To be honest, I was a dog person before. There used to be a Boston Terrier at where worked before. He was such an adorable dog and I loved playing with him so much like going to work to see him. I didn’t have good images towards cats as my impression to them was like they don’t get involved with people much, they are not very rewarding to have or I would be more than lonely if I have a cat as they like their own pace. However, Natsume changed my idea.


──How is she?

Oh, she is super cute!!(laugh)


──So she is your first cat to have. How did you learn about having a cat?

I learned a lot from the internet, books and some friends who have experiences with cats.


──Did she soon remember where a litter box is?

She once peed on a carpet but I moved a toilet sheet in a gain clumping litter to have the same smell. Then, she remembered quickly but scratching.


──Was it difficult to train her not to scratch?

Yes, it took a while. I used to take Natsume to where she can scratch and repeatedly trained her. I had covered lower parts of the walls in the house with scratch prevention sheets. Apparently, I don’t need it any more.


To build cat characteristics


I’ve read that cats’ characteristics are built around 5 weeks after birth to 2 months. During this period, you need to have cats smell many different people. Then they get used to people, which means they tend to be friendly. I read it from “KONEKONOKIMOCHI(kittens’ feelings)” published by Benesse Corporation. Speaking of Natsume, she was around 4 weeks after birth when she came to my place. I invited my friends to my place to introduce Natsme. I even threw some home-parties as well.


──It worked!

I think so. A cat at my parents place always hides behind the chest, the cupboard and the table. Natsume is not as cautious as he is.


──You work home. How do you spend a day time with Natsume?

I work with computers all the time so she usually sleeps on a printer. She doesn’t come and snuggle up to me but stays nearby.


──So, she is not a type of cat that snuggles all the time. Does she come to bed with you?

Yes, during the winter. She usually sleeps on or under the couch when it’s warm. Her favorite spot at home changes all the time. I used to make a small space behind the bed. She loved that place so much and became very lazy about getting out of there. Therefore, I shut that space.


──She doesn’t seem like she prefers a narrow space.

When she was a kitten, she always played with boxes but not anymore. I even tried to leave her meal in a sneaker box but she came out as soon as she finished eating, She doesn’t get excited about bags or sounds of plastic papers. It seems like her interests on toys are getting smaller.


She must play a role of the cat in that book!?


──What do you like about her?

It seems like she allows only me to hold her. It feels special and I like that kind of part of her. I also think she doesn’t know how she looks. You know, sometimes I look at her by chance and she sits like a middle-aged guy cutting his nails and watching TV. (laughs) Everytime I see that, I almost said “Hey, you are a girl!!” That even makes me feel that she plays a role of the cat in the book, “I’m a CAT” by Soseki Natsume. That actually attracts me, too.


──How would you describe if she was a human being?

A middle-aged guy!! (laughs) She usually lays on her back. You can see these photos on my Instagram though.


──Do you have anything difficult to train?

She doesn’t understand “OIDE(come here in Japanese) ”. I don’t think it’s difficult remember.


──Do you still train her this?

Yes. I have been teaching her “OIDE” since she came to my place. She somehow remembered “GOHAN(meal in Japanese)”instead of “OIDE” right away.(laughs) Whenever I say “GOHAN” she comes either to her food bowl or to the cabinet I keep her food. Also, she understands her name “Natsume”. She turns at me when I call her name. So, it seems like she remembered “Natsume” and “GOHAN”...


──She must remember things only convenient to her.(laughs) You told me before that her interests on toys are getting smaller. Is there anything she is interested in now?

A cat tent. I traded a cat house to this cat tent with my friend. He had a cat tent for his cat but his cat didn’t like. It was the same as Natsume, she didn’t like the tent. So we talked about it and tried to trade them for a test. Unexpectedly, they like the traded ones. Especially Natsume loves it as much as she dives in. The bamboo center pole was broken once so as the cloth. However, I can’t stop loving it when she puts her face from the roof and says meow.


──She looks good with a bow-tie.

Well, she was wearing a regular cat collar at first. I changed it when she got used to it. I went online shopping and composed many different bow-ties on Natsume’s photo. She is a girl so I thought red or something bright would be nice…


──It is like you do your job, designer.

And the result was…yes. BLACK.


Turned to be a cat person


──Do you have anything you care about her health?

I had Natsume spayed in December last year. Since then, she has been easily gaining weight. Every time I feed her, I measure an amount to make sure she doesn’t eat too much. Now she has about 5 kg but the vet advised me that her best weight should be a little bit lighter.


──You mentioned that you were a dog person and didn’t like cats so much before. How about now? How is like having Natsume?

She is my daughter. One day I would like to have my own child and would like to raise her/him with Natsume.


──It has been a year since Natsume came to your life. Did she change your life?

I wasn’t interested in collection galleries related to cats before but it changed. I started visiting those galleries. Just recently I visited the gallery 『CAT POWER』. I’ve been to a gallery one of my friends organized. Speaking of cleaning, I am sure I clean my place more often. White colors pretty dominated my place and Natsume has white hair so I didn’t notice at first but her hair is everywhere, much more than I thought. So I vacuum and mop the floors 2 to 3 times a week. Above all else, I turned to be a cat person.