2023年度岡山遠征第1弾 倉敷水島の謎の橋
色々なお仕事の関係があり、訪れることになった岡山県。
これまで、電車や同乗者がいる中で訪れることはありましたが、うちのラブちゃんと共に訪れる機会はありませんでした。
しかしこれは千載一遇の好機。
これを逃す手はない!
早速、下調べをして合った物件に向かおうと車を走らせていると見つけてしまったこの物件。
やはり、僕は持っている。
この橋、めちゃくちゃ気になるぞ!
レポスタート!
なんだお前は??
用水路もしくは改修された川に架かる橋。
しかしその前後に道は繋がっていない。
そもそもどう見ても両岸の道路と高さが合っていません。
両岸の道との高低差は50cm程でしょうか。
けっこうな段差があります。
この時点でこの道が廃橋であることはほぼ確定。
まぁ分かってたことですが。
そもそも真っ直ぐ行けないという状況。
そういえばこの橋、こんな状況にもかかわらず封鎖が全くないな。
植樹で封鎖ってことか?
それでは橋上を見てみましょうか。
実際短い橋なので一目瞭然。
問題はいつ頃の橋なのか。
そこが気になります。
欄干を見る限り昭和前半なのは間違いなさそう。
しかし意外なほど破損も少なく落書きもない。
こういう立地だと結構やられがちなんですが。
ノーガードの方が被害避けれるのかな。
くすのきばし
非常に読みにくくなっていますが、何とか解読。
というより周囲の橋からの連想ですが。
多分親子でしょ?君たち?
あちらが現在のくすのきばし。
表記としては「くすの木橋」となっています。
ということはこちらは「旧くすのきばし」とするのが正しいのか。
しかし実はもう一本旧橋があったという情報もある。
じゃあこのレポの名前は「旧々くすのきはし」なのか。
しかしそうは問屋が卸さない。
なんせ読める情報はここだけなのです。
他の親柱は狙ったように破壊されています。
しかし実はこの新橋にはもう一つの名前が確認されています。
志おみはし(しおみはし)
隧道で坑口ごとに名前が違うパターンはありますが、橋ではなかなか見ないこの形。
そこには深い理由があるのです。
この橋の架かっている向こうの道は現在県道となっています。
岡山県道428号倉敷西環状線
(くらしきにしかんじょうせん)
ここは上下線が橋を挟んで分かれているのですが、ここを回収したときにくつの木橋と志おみはしをくっ付けたのです。
つまり、新橋は2つの橋を先祖に持つハーフということ。
そうなると今いるこの橋はどう呼べばよいのか非常に苦しむ橋ということになります。
便宜上、旧くつの木橋と呼称させていただくこの橋ですが、結構調べましたが正式名称不明となっているみたいですね。
まぁ親柱に「くつのきはし」とあるので、これが正しいのでしょうが。
川の名前は高梁川(たかはりがわ)。
倉敷の工業は水が重要なため、古くから河川工事が多くありました。
川の真ん中の仕切りみたいなものは、工業廃水を分けるためのものだったようです。
水の町と橋の歴史は深いですね。
正確な竣工年は不明ですが、都市計画を見る限り昭和16年竣工というのが一番現実的な仮説となります。
実際同じ計画内で、橋の両側の道が廃止されているのでわずか10年ほどという短い現役機関だったようです。
現役期間よりも長い引退期間を過ごしている旧くつの木橋。
市民にとっては最早違和感なく、そこに存在する橋となっているのでしょう。
しかし、市外の人間から見れば素晴らしい廃の光景。
この景色が封鎖されず残っているのが素晴らしい。
旧疋田橋みたいな物々しさもありません。
このままずっと残ってほしいものです。
位置としては倉敷市の中でも新たな工業地域となる水島地域の真ん中に位置する立地です。
だからこそ、近代化の波にのまれた悲しい橋ということもできそうですね。
市街地に佇む旧橋。
いつまでも穏やかに。
以上、倉敷水島の謎の橋編