腹診について西洋医学的に考える
腹診は、東洋医学で重視される診断技術
お腹押してここが痛いから◯◯が悪いって、うさんくさいなーって一般の人は感じると思います。
自分もそれって科学的に根拠ないんでしょ?って最初は思っていたけど、最近は腹診について勉強していたら調べていくうちに現代ではきちんと解明されていることに気が付きました・・・
昔の経験則が今は証明されていることにも驚きつつ、昔の人はすごいなと。
腹診は実は、鍼灸師と漢方医で2パターンの方法・見方があります。
特に中国よりも「日本漢方医」にて発達した診察方法とも言われています。
中国では腹を見せるということは=弱点・急所を見せるという発想もあり、発展しなかったとか言う話も。
鍼灸師では行う人は多くないと言われている(俺が行ったところ何箇所ではやってたけど)
さて本題です。
日本漢方の診断方法について考えると、
胸脇苦満
ストレスにより胸脇苦満(きょうきょうくまん)→季肋部(いわゆる脇腹)の痛みがでます。
これは現代的解釈だと
ストレスで交感神経優位になることで常にチカラが入って筋肉が硬くなる→横隔膜が硬くなる→呼吸が浅くなる
というメカニズムです。
心下痞硬
精神的に負担がかかると心下痞硬(しんかひこう)というみぞおちのすぐ下が押されると痛かったり、梅核気(ばいかくき)・咽中炙臠(いんちゅうしゃれん)という喉になにかつかえているような症状がでます。
これは下に胃があるので、精神的ストレスがかかると胃が痛むためとも考えられます。
ちなみに脳神経と胃の神経は近いものがあるので反応がでやすいようです(深く調べてないのでちがうかも)
結構、胃が痛いのに調べても原因はわからないんだよね、って人もいてこのパターンだったりもする。
漢方薬でいえばストレス性であれば半夏厚朴湯や半夏瀉心湯で改善することも。
臍傍抵抗圧痛
瘀血の反応点というのが漢方と鍼灸の腹診であって、部位は多少異なるんだけど、
漢方の方だと臍傍抵抗圧痛(せいぼうあっつう)といって臍のすぐ左右下のあたりになります。
これは、下に腹部大動脈が通っています。
腹部大動脈がそのまま骨盤の方へ流れていき名前が変わって内腸骨動脈という名前になります。
つまり、腹部大動脈の流れが悪いということで圧痛がでるということは、骨盤内の血流も悪いといえます。
鍼灸の腹診では鼠径部付近の圧痛となるので、理論は同じ。
さらに言えば、内腸骨動脈はそのまま足の方への血流とつながっていくので、当然足の冷えや足のつりなどもおこる原因となります。
お腹を温めるということは骨盤の中の血流をよくするので瘀血の改善にもよいですね。
そういった理論でお灸をお腹にしたりします。
そんなことも考えつつ、東洋医学ではこう言われているからこうやるというよりも、
西洋医学的にみたときに根拠はあるのかな?ということが大切かなーっと。
まだまだ解明されていない不思議なこともあるけどだんだん解明されていくんだろうなぁ。
特に五苓散のアクアポリン受容体も近年発見されているから
これが水毒に効く理由のひとつだったのか・・・と感心せずにはいられません。