リレーコラム#06 こどもがまちで働くワケ
ビックリさせておしまいではただのマジックですが、その瞬間を利用して相手と理想的なコミュニケーションをとることも可能なのです。まるで魔法のように。
_魔法つかいKOJI
6回目のコラムは、魔法つかいKOJIさん。こどもスタートアップ塾のジェネレーターをつとめてくださいます。「魔法つかい」という職業へのこだわりの理由と、講座の詳細に迫ってみました。
Q1 現在のお仕事やこれまでの活動の内容を教えてください。
デビュー当時はイベントやパーティで魔法を披露するパフォーマーとしての仕事がメインでした。いわゆるマジシャン業です。
その後徐々に『魔法』というコンセプトを中心に幅広く活動するようになっていきました。マジシャンというよりも「魔法つかいの男の子がパーティに参加していたら」という設定で、観客の中に溶け込んだ状態からその場でショーを見せるスタイルをつくりあげていきました。
娘が生まれてからはショーの仕事並行として、『魔法つかい』が生み出すコミュニケーション術や、それを親子関係に応用する技術に関するワークショップや講演、企業セミナー、執筆などの仕事が増えてきました。
また、仕事とは別に、お金を介さない価値交換プロジェクト『魔法通貨』や、魔法を通して日本中に友達のネットワークを広げる旅『魔法紀行』を続け、プライベートも仕事も魔法を中心に回っています。
Q2 子ども時代はどんなことに熱中していましたか?
5歳の時に「魔法つかいになりたい!」と思う原体験があったのですが、どうしたらなれるのかわかりませんでした。
その後なんとなく「みんながビックリするくらいすごいことができればどんなジャンルでも魔法つかいって呼ばれるのではないか?」と思い、色々なことにチャレンジしました。
親の勧めで始めたピアノや水泳はあまり気乗りしませんでしたが、自分の意志で始めた空手は途中ブランクもありましたが小4から大学生まで続けました。
音楽も志ざしましたが、才能の無さを実感してあきらめました。バスケもハンドボールもいまいち上達せずにあきらめました。
そしてついにマジックに出会い、「あ!これが一番魔法つかいに近い仕事だ!」と閃いたのは高校1年生の時。親からは常に「飽きっぽくてなんでも途中で辞めちゃうから、そんなんじゃ何も上手くいかないよ!」と言われてきたのですが、マジックだけは違いました。今思えば、いくら飽きっぽいと言われようとも色々なことにチャレンジしたからこそ出会えたのだなぁと思っています。
五歳の頃(アメリカにて)
Q3.どうして魔法つかいになったんですか?
4歳か5歳のころアメリカに住んでいた時のことです。
夕方、屋外でディズニー映画の『ファンタジア』を見るイベントが催されていました。いろいろな人種、宗教、国籍の人が集まっていたせいか、人々がそれらのグループごとに固まっていくつもの壁ができていました。
険悪な雰囲気ではないけれど、なんとなく他のグループと必要以上に近づかないように、子どもがあまり離れないように気を配っていました。
大人になった今考えると当たり前のことなのですが、当時は子どもながらにその状況に違和感と不快感を感じていたのです。そして、他の子どもたちもように感じてると思いました。
大人たちが創り出している見えない壁。そんな存在がとにかく嫌だった記憶があるのです。
しかし、それが解消されるできごとが起こりました。
映画の中でミッキーが魔法をつかうシーンが映し出されると、いたるところで子どもたちが「魔法つかいごっこ」を始めました。言葉はわかりませんでしたが、全身から溢れる子どもたち特有の言語で一目瞭然。「ぼくが魔法をかけたら君は勝手に踊りだしちゃうんだよ!」「ぼくが魔法をかけたら。。。」魔法に興奮した子どもたちの魔法ごっこに壁はありませんでした。次第に子どもたちの笑顔が広がっていきました。
その様子を見ていた大人たちは、「どうやら今日は大丈夫そうね」と安心したのか、会場の中にあった無数の壁が溶けるように消えていったのです。
「魔法を見ると、大人も子どももみんなひとつになっちゃうんだ、スゴい!」その時そう思ったのが今の自分のルーツです。それが人生で初めて「魔法」を体感した瞬間です。
それをきっかけに「魔法つかいになりたい!」と思うようになりました。その想いは、マジックとは関係なく、「一瞬でみんなの心の壁を溶かしてしまう魔法」を使えるようになりたいという願望でした。ですから、最終的にマジックという芸能を選びましたが、目的はマジックを見せることではなく「みんなの心の壁を溶かして、偏見のないただの人にしてしまう魔法」こそが、ぼくの使いたい魔法です。
そういう意味を込めて、「魔法つかい」にこだわっています。
Q4 こどもや学校の先生向けに魔法を伝授する活動もされていますね。魔法にはどんな力があるのでしょうか?
魔法の直前には、みんなの視線や注意が一点に集中します。そして魔法が起こるとみんなの頭の中が「!」と「?」に占拠されます。
人種や宗教、肩書き、性別、年齢などのあらゆる壁が溶けてしまい、みんなが「ただの人」としてその空間を共有する瞬間です。
その瞬間というのは、みんなの心が裸になるので相手の心に直接アクセスしやすい状態になります。ビックリさせておしまいではただのマジックですが、その瞬間を利用して相手と理想的なコミュニケーションをとることも可能なのです。まるで魔法のように。
Q5 「こどもスタートアップ塾」で開催いただく講座「どこにもない仕事をつくる魔法 ~なぜマジシャンではなく、魔法つかいなのか」ではどんな内容になりますか?
「楽しむ側から、世の中に魔法をかける側になる」ような内容を考えています。
まず最初に15分ほど、僕の魔法のショーを体験していただきます。
次にQ3で答えたように、なぜマジシャンではなく魔法つかいと名乗るかについて説明します。ここで「自分らしいってなに?」を考えるきっかけをつくります。
ただ目立つだけではなく、どうすれば自分らしく目立つことができるのか?
を考えて「自分らしさ」を見つけてほしいと思っています。
そして最終的にこどもたちが魔法をかける側になり、みんなに喜んでもらうための動画を制作します。そこで考えたことを元に、たくさんの人に喜んでもらえるの会社を、子どもたちと一緒に作ってみたいと思います。
5歳の時に「魔法つかいになりたい!」という原体験があったとは驚きですね!KOJIさんならどんな夢でも応援してくれそう。
ただ目立つだけではなく、どうすれば自分らしく目立つことができるのか?
を伝授いただけるとは、クラウドファンディング中の私が一番受けたいデス。これから起業しようと思っている大人も同じ思いの方が多いかもしれません。ぜひお子さんに受講してもらってその秘訣を伝授してもらってください!
魔法つかいKOJIさんの講座は、1/13と2/24の2回です。
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