脱資本主義宣言 グローバル経済が蝕む暮らし
読みました。
自分が知らなかった「実は世界でこんな理不尽なことが起こっている」という問題のオンパレードに衝撃を受けました。最近、環境問題に取り組み始めたばかりではありますが、もっと問題意識を持って色々と勉強して行きたいと思います。
以下、本の中で扱われていた問題点についていくつか抜粋。
日本の服の消費量について、
購入 117万t/年であるのに対し、廃棄 106万t/年*9kg購入8kg廃棄/人(長袖シャツ42枚購入38枚廃棄)と、とんでもない量が「消費」されています。特に著書内ではウズベキスタンに関し言及されており、
・モノカルチャー(単一栽培)経済が問題
・全人口の4割が綿花栽培に従事
・綿花栽培に大量の水を消費するため、世界4位の大きさだったアラル海の体積が90%減
などを問題点としてあげています。
こちらに関連して、電通の「わが社の戦略十訓」も引用されていました。広告で働いてた身としては、いかに大衆に消費させるために市場を煽っていたのか、というのを考えさせられます。
1. もっと使わせろ
2. 捨てさせろ
3. 無駄使いさせろ
4. 季節を忘れさせろ
5. 贈り物をさせろ
6. 組み合わせで買わせろ
7. きっかけを投じろ
8. 流行遅れにさせろ
9. 気安く買わせろ
10. 混乱をつくり出せ
消費の文脈で、プラスチックゴミに関しても。
日本では1995年に容器包装リサイクル法が制定された事で正当化された形になり、プラスチックの使用が爆発的に増加、60万トン/年(500ml200億本分)という量のペットボトルが廃棄されています。世界を見渡すと、 4,800億本/年(100万本/分、2万本/秒)という数値があり、2021年には20%増え5,833億本の見通しとも言われているそうです。
こちらはアルミ缶の需要量とリサイクル率の推移に関する言及。日本では約200億缶/年前後が消費されており、これまた凄い量です。アルミ=電気の缶詰とも呼ばれているようで、大量の電気を必要とします。人類の使う電力の3%はアルミ精製に使われているとも言われており、安価な電気代を求めて途上国で生産し輸入(開発輸入)する動きも。
その際、工場設立資金は途上国側への借金として残し、生産された電気やアルミは先進国へ全て輸出され、後には何も残らないといった構図が生まれます。また、精製過程でフッ化水素という有毒ガスも出てしまうようで、この被害を受けるのも現地人です。
こちらはミネラルウォーターについて。日本では、1983年に一般向け初ミネラルウォーター『六甲のおいしい水』が発売され、1989~90年にはサントリー、キリンも相次いで参入してきました。今では、清涼飲料の生産量の13%以上が水とも言われており、それに合わせて、1Lペットボトルで実に4億本が水商品のために消費されているそうです。直近の日本の水マーケットでは、360万キロリットル/年、一人あたり消費量は28.4リットル/年という水が消費されています。
他にも挙げればキリが無いほど様々な環境問題、資本主義の問題について論じられていましたが、本ブログではここまでに留めます。