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2024年5月15日(水)

2024.05.15 10:08

2024年5月15日(水)晴れ


定休日。先週とは違い、イベント出店の準備等もなく久しぶりの休日らしい休日。

疲れも溜まっているし家でゆっくり過ごそうかと思っていたが、気になる映画の上映と展覧会の開催期日が迫っていたので朝から映画館と美術館を巡る。


濱口監督の『悪は存在しない』。※抽象的に書いてはいますが、ネタバレ的な言及があるので避けたい方は読むのをお止めください。

冒頭の映像、木々を下から見たイメージが映画全体を貫くモチーフになっていると思われる。

光へ向かって自らの枝と葉を伸ばす木々。その木々を下から見た時、木々の枝や葉(の影)が交わっているように見える。

本来はただ各々にとって「善い」と思える方向へ伸びているだけのだけれども、

それを平面的に(下から)見た時に、関係性や意味を勝手に感受してしまい、ある種の「悪」が存在しているように見えるのかななどと思いながら鑑賞。

自分の見た限り、概ね間違っていない感触でストーリーは進行。

この映画の舞台となる場所に暮らす人々は、上のようなことを自覚しつつ倫理的に振る舞っているように見える。

特に主人公はそれが顕著に出ている。

ただ、その振る舞い、特に終盤にかけてその「倫理」を説く時、僕にとって印象的だったのは相手の意見に対して「それはない」という言葉の否定(「ない」)の連なりによって、「倫理」を実行しようとしていることだった。

しかし、そんな倫理はよそに「それ」は外部からやってくる。

そこで起こったことをどう解釈したらいいのかがまだ分からずにいる。

なかなか難しい内容で、書きながら自分の感想を整理している。感想はまた変わるかもしれない。

余韻と、他人の感想なども聞きながら、自分にとってどういう作品なのか考えていきたい。

普通に映画を見た所感になってしまった…。


もうひとつ、長島美術館で今週末まで開催の「現代のドガ ロバート・ハインベル展」を見た。

バレエダンサーを描いた作品をメインに展示した展覧会。

僕の好みとは少々異なる感じではあったが、(バレエダンサーの)身体性から生まれる表現やイメージをどう絵画化するか?という試み自体は興味深かった。

個人的にはダンサーの作品よりも「ペンギンカフェにて」という作品がかなり自分の好みを突いていた。

「ペンギン・カフェ」自体もバレエ作品ではあるけれども、描かれているのはペンギンの着ぐるみを着たと思われる人物で、着ぐるみを着た時の怪しげだったり心許なさげな挙動やブレが上手く出ている作品。

物販を全然見ないまま出てしまったが、「ペンギンカフェにて」のポストカードとかあれば欲しかったなと反省。


見たものの感想だけになってしまったが、まあ情緒がそれなりに働いているのは健康の証と考えよう。

今日は全然働かなかったが、明日は少しは働きたい。