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大谷弘至 official site

大濠公園 2 浮見堂 万葉歌碑

2024.05.17 21:00

おはようございます。土曜日、いかがお過ごしでしょうか。

福岡、大濠公園のつづきです。

はるかに見える浮見堂を目指します。

観月橋という橋を渡っていきます。

見た目以上に距離があり、

良い運動になります。

ようやく近づいてきます。

浮見堂です。

大濠公園は中国の西湖を模して造られたと言われていますが、

たしかに日本的というよりは、大陸的です。

そのシンボル的な建物がこの浮見堂であり、

観月橋ですね。

元気な御夫婦。

この後、対岸までわたりました。

逆サイドの橋は松月橋。

その名のとおり、松林になっています。

うねりも見事な松。

水に張り出した松。

途中に万葉歌碑がありました。


しろたへの袖の別れを難みして 荒津の浜にやどりするかも   作者未詳


白い袖のたもとを分かつこと、つまり愛するあなたとの別れが惜しいので、


荒津の浜にとどまって、もう一夜、宿をとったといっています。


すでに述べましたが、昔はこのあたりまで入り海となっており、


荒津の浜と呼ばれる大きな港がありました。


国内を行き来する船のほか、唐や新羅に行く船も出入りしており、


たいへん賑わっていたことが想像されます。


そんな港にあって、様々な恋物語も生まれたことでしょう。

ちなみに、この和歌には返歌があります。


草枕旅行く君を荒津まで 送りぞ来ぬる飽き足らねこそ   作者未詳


どうしても別れるのが嫌で、旅立ってしまうあなたのことを荒津の浜まで見送りにきた、


というのです。


これらは大宰府から異動することになった役人と


恋仲にあった女性(遊女か)のやり取りと考えられています。


こうした和歌のやり取りを読んでいると、


博多という街の本質的なありようは万葉の昔から現在に至るまで、


まったく変わっていないような気がします。

どうぞ良き一日をお過ごしください。