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水道民営化で自然災害が起きても復旧が困難に!?

2018.12.07 22:22

 LITERA 


 【転載開始】 


 ■水道民営化で自然災害が起きても  

 復旧が困難に! 

  災害時の責任をうやむやにする 

 安倍政権に被災自治体から批判の声 


 抜け穴だらけの入管法改正案 

と並んで悪名高い水道法改正案 

が6日、衆院本会議で自民・公明 

与党と日本維新の会などの賛成 

多数で可決、成立した。  


 改正水道法は施設運営権を 

民間企業に委託する 

「コンセッション方式」の導入を 

認めており、立憲民主党、国民 

民主党、共産党などの野党は 

「水道事業の民営化につながる。

生命に直結するインフラを金儲け

に使ってはならない」と反対した

ものの、阻止するには至らなかった。 

数にものを言わせる安倍政権の 

強権政治がまたしても繰り返され 

た格好だ。 


 本サイトはこれまでも改正案が 

はらむ問題点をあまた指摘してきた。 

内閣府の民間資金等活用事業推進室

(PPP/PFI推進室)に、 “水メジャー”

と呼ばれる ヴェオリア社(フランス)

日本法人から職員が出向して水道法

改正に動いた事実。 

菅義偉官房長官の補佐官に起用された

福田隆之氏がもうひとつの水メジャー

であるスエズ社(フランス)の運営施設

ばかりを海外視察し、お抱え視察だった

とされる疑惑…。 

日本国内の水道インフラを狙う外資と

安倍政権との癒着発覚は後を絶たなかった。  


 さらには、海外各地で民営化後に利用

料金の高騰や水質の悪化が続出し、

2000年から2015年に世界37カ国 235水道

事業で再び公営化されている事実が国会や 

報道で暴露されると、政府は 

「海外のような失敗を防ぐため、公の関与

を強めた」などと空々しい言い訳に終始

してきた。 


  しかも、この水道法改正によって起きる

のは、水道料金高騰というようなレベルの

話だけではない。

地震や風水害 などのあった地方自治体から 

「民営化したら災害に対応できるはずがない、

それこそ住民 の命を危険にさらす」という声 

が上がり始めているのだ。  


 「市民にとって何がベストかを考えるべき。

民営化の是非 は地域事情で異なるが、熊本市

にはなじまない」 


 熊本市の大西一史市長は 国会審議の渦中

だった今月 4日の記者会見で、民営化を 

こう否定してみせた。 

2年前の熊本地震では熊本市 の全戸が断水。 

市は給水車を絶え間なく往来させて給水に

当たり、2週間をかけて全面復旧させた実績

がある。 

短期間で復旧できたのは、技術の継承が

あったからだという。


 地元紙の当時の報道などによると、

市内の水道はすべて地下水(井戸水)を

くみ上げてまかない、各所に配置した水質

管理施設を稼働させて水質を維持。 

水道の配管経路は複雑で、水道マンたちには

高い技術力が求められている。

「手間暇かかる災害時の復旧作業を、利益

第一の民間企業が赤字覚悟で担えるはずが

ない」と熊本市の当局者は話しているという。 


 こうした災害後の水道復旧問題は、この夏

台風や豪雨などで被災した広島や岡山、

大阪でも取りざたされていた。 


 在阪ジャーナリストが言う。 


 「実は、被災した簡易水道の復旧がままな

らず、断水が各地で続いたんです。簡易水道

は独立採算制で、自治体の直営水道に準じた

扱いになっているんですが、それでも速やか

な手当ができなかった。 そこへもってきて、

民営化なんか進めたら、災害で壊れた水道

施設は二度と戻らないと言われているんです」 


 ■災害時の復旧責任を曖昧にし続ける 

 安倍政権 


 これは単なる思い込みではない。 

国会審議でとんでもない政府答弁が出ている

のだ。 

今年7月4日、衆院厚生労働委員会での水道法

改正集中審議でのやり とりだ。  


 質問に立った尾辻かな子議員 (立憲民主)は 

「災害時にどうするのか。もしコン セッション

事業実施の自治体が地震などで被災をして

断水とか 漏水した場合、民間企業で対応できる

のか」と質した。 


 答弁に当たった大沼みずほ・ 厚労大臣政務官

(自民)は 

「コンセッション導入時の災害時の対応につき

しては、どこまでを 民間企業に委ねるかを、

あらかじめ PFI法に基づく実施方針及び実施

契約で決めることとなります。このため、契約

で義務づけることによって断水、漏水した場合

の対応や給水車による応急給水、補修、点検

などの応援を民間事業者に行わせることも可能

でございます」 と答弁した。 


 災害が起きた場合、行政が復旧の責任を

負うか、

民間事業者に復旧の責任を負うかは、

契約次第だというのだ。 


 しかも、尾辻議員から 

「一番大事な災害の応援が、コンセッションは

できるかできないか、いまの時点ではわからない、

可能性があるとかいう答えだったというのは、

非常に問題がある 思いますよ」と批判を受け

ても、 加藤勝信厚労相らは曖昧な答弁に終始。 

最後までどちらかに「責任を負わせる」

「義務付ける」 とは断言せず

「事業継続のための措置をあらかじめ定める」 

「厚労大臣が協力体制を確認する」 などという

曖昧なセリフを繰り返した。 


 「厳しい契約を義務づけたら、肝心の民間企業

の参入は難しくなる。 この曖昧さは、そんな壁を

無くしたい 安倍政権の姿勢の表れでしょう。しか

し、災害復旧の責任主体を曖昧にしたら、それこそ、

誰も復旧の責任 をとらないという事態が起きかね

ない」 (全国紙社会部記者) 


 つまるところ、今度の改正水道法は災害対応の

担保など無きに等しいのだ。 

しかし、この国の「命のインフラ」を破壊する

水道法改正案はもう成立してしまった。 

いまわたしたちがやれることといえば、 

自分の自治体で民営化に抵抗し続け ることだけだ。 

 (編集部) 


 【転載終了】 

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 安倍政権の法案は、ほとんどが数にものを

いわせた「強行採決」ですね。 


 昨今、「自己責任論」が幅を利かせていますが、

まさに、こんな政権を選んだ国民の「自己責任」

ですかね。