提案『粘土 de モータースキル鍛錬』
とあるお母様が私のアイディアの根源はどこですか?と質問された事がありますが、ここですと明言できるものはないもののおそらくと思い当たる節といえば、子供達と行った粘土遊びのような気がします。いろいろなものに変化するという粘土の面白さは、物事を多角的に想像させる事ができ同時にすぐにイメージしたものが形にできる表現が、「ああしてみよう、こうしてみよう」に繋がったのだと考えます。今回は想像したものが形にできるようにするために必要不可欠なモータースキルを鍛える方法を取り上げます。是非お子さんたちとしとしと降る雨音を聞きながら粘土遊びを楽しんでみて下さい。
1、ちぎってちぎって
新しい粘土を容器から取り出すと比較的硬めです。その粘土を親指と人差し指の指先で摘んでちぎっていくことを行いましょう。このちぎる動作は指先に力を入れてものを切る動作になり粘土だけでなく、紙やレタスやキャベツなどの葉野菜、マシュマロなどをちぎる動作にも応用できます。ちぎるときの感触や音を楽しむことにもできます。
2、まるめる
片手の上に粘土を載せて指先で丸めたり、手のひら同士で丸めたりと力加減を学びながら形を整えていけるようにします。
3、平に潰す
丸めた粘土を指先で押し潰します。写真は親指だけ使用していますが、全ての指の腹で粘土を押しつぶし、その力加減で形が変わることも楽しみましょう。我が家ではこの方法を白玉団子に用いて蜜が溜まるようにし、一度覚えた技を再活用するアウトプットもさせていました。
4、摘んで伸ばす
丸めた粘土を親指と人差し指で軽く引っ張り花のように形成します。
5、丸めてくっつける
丸めたものを手のひらに集めてひとつにする動作も指先だけではなくて全体で丸めてくっつけるようにします。100年均一の紙粘土だとすぐに乾いてしまうのでこの動作が思うようにいきません。できれば込め粘土や小麦粘土の使用をお勧めします。
6、ぎゅっと握る
一つにまとめた粘土を片手でぎゅっと握ります。軽く握れば指の形がうっすらとつき、ぎゅっと握れば指の型がしっかりとつき、めいいっぱい力を入れると握りつぶれて切ることもできます。餃子の餡を手で少しづつ押し出す動作にも通じます。
7、トントントントン形成する
ぎゅっと握った粘土をひとつにまとめて粘土ボード(粘土板)に軽く叩きつけて形を好きなように作ります。
8、ぎゅっぎゅっぎゅっとおにぎりを握るように
イメージした形を握って行きます。三角おにぎり、俵や円形といった形にも挑戦してみましょう。これができるようになるとおにぎりは自分で握る事ができるようになります。
9、いろいろな大きさにちぎって並べる
冒頭の1、ちぎるはランダムに形を気にせずにちぎればいいのですが、ここでは並べるものの大きさや形は統一性を持たせます。大きさを変えることにより大きさの概念が育ち始めるようになります。
10、小さく丸めてコロコロビー玉
更にモータースキルを鍛えようとするのであれば、より少ない粘土で小さな粘土玉をつくっていきます。
11、大きくまとめてゴロゴロ
小さな粘土玉を作ると次は大きな粘土玉を丸めてゴロゴロと大きく転がす様子を楽しむことをしてほしいと思います。同時に粘土ボードの上に置いてて全体で転がすように
12、長く棒状に伸ばす
どこまで伸びるかなと粘土棒を満遍なく転がして同じ太さにして長くしていきます。同じところを転がしているとだんだん細くなり、終いには切れてしまうことも学習してもらいましょう。その上で同じ太さに伸ばすにはどうすべきかを感覚で捉えてほしいものです。
13、くるくると巻く
棒状に伸ばしたものをくるくると巻いてロールケーキや蚊取り線香に見立てたりと自由な発想で見立て遊びをし、その後にしっかりとした表現ができるようになると良いでしょう。
14、トントンきてみよう
伸ばしたものや丸めたもの、いろいろな形にしたものをトントントンと切ることで包丁を持つ練習にもなります。私は粘土道具に付属しているヘラなどを使用させてもいましたが、ケーキのクリームを塗るパレットナイフを使用させていました。手を切る心配もなく包丁を持つ練習にもなります。
15、丸めて潰して薄い煎餅にする
ら丸めた粘土を手のひらで押さえながら体重をかけると薄く伸ばす事ができます。最初は上手にせんべいのように丸い形にするのは難しいですが、コツを掴むと上手に行えます。手焼き煎餅の実演販売をイメージしながら行ってみましょう。
16、くるくると巻いてみよう
15で伸ばしたものをヨックモックのシガールのようにくるくると巻いてみましょう。厚みを変えたものを巻く経験もさせておきましょう。
17、捻って捻って切ってみよう
手首のスナップをきかせて何度も捻って切る動作を行います。左右の手で交互に行い動きが悪い手を繰り返し実践して下さい。
18、ニョキッ、ムクッ摘み出す
捻り出しという方法です。摘んで粘土を引き出して造形するこの方法が上手にできるようになれば粘土表現が上手になります。
今回は子供自身の手が道具となってモータースキルを鍛えることを中心に記事を記しました。造形の面白さを手指を使用したモータースキルでどんどん極めてほしいと思います。