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模写絵師つねきち八卦鏡

京橋竹がし ーきょうばしたけがしー

2024.05.21 05:42

歌川広重・名所江戸百景・秋の部より 

 「京橋竹がし」 

 つねきち水彩にて模写 


 京橋は日本橋から京都に向かう 

 東海道の旅で、最初に渡る橋。 

 「京につながる橋」なので「京橋」 

 と名付けられました。

この辺りには当時の人々の生活に欠かせない 

 竹を扱う市場があり 

 大量の竹材が置かれていました。   

この竹は建築や生活用品 

 (ザル・食器・ほうき・ついたてなど) 

 の材料となっていました。 

 絵の手前から、奥まで続く竹の線。 

 これを、細筆一本でえんえんと

描き続けたつねきち。

 見ているだけで、目眩を起こしそうです。 

 竹列の上部には 

 月明かりが落とした影も ちゃんと、あります。

橋の上を歩く男たち。 

 その手元には梵天(ぼんてん)

という神具が 見えています。 

 100万人と言われる江戸の人口 

 その中の20万人が 毎年訪れたという

「大山詣り」は 

 鳶などの職人が、巨大な木太刀を江戸から担ぎ 

 現在の神奈川県伊勢原市にある「大山」

に 参拝をするものでした。 

 梵天は、その帰りであるしるし。 

 大山詣でには手形も要らなかったので 

 多くの人が訪れたといいます。

頑丈に造られた木の橋桁。 

 その下で、つねきちワールドの船頭が 

 満月を眺めながら、船を漕いでいます。 

 水面に置かれた線の一本一本にも 

 素直な温かみが感じられます。

つねきちにしては珍しく 

 シックな色彩でまとめられた構図ですが 

 時々ちょこんと見える赤い差し色から 

 栄える江戸の雰囲気が伝わります。 

 この竹材が並んだ辺りには 

 現在は高速道路があるようです。 

 漏らさず余さず 隅々まで丁寧に仕上げた、

つねきちの 

 ひたむきな情熱が 

 胸に染み入るような一枚です。