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生かされて

2024.05.21 09:29

Facebook相田 公弘さん投稿記事

「生かされて」イマキュレー・イリバギザという本・・・・・

中央アフリカにある小さな国、美しい自然に囲まれて育ったイマキュレー。

最愛の両親や兄弟たちとの穏やかな生活がある日、崩れ始めます。

元ベルギーの植民地であったルワンダでは、1994年、フツ族によるツチ族の虐殺が始まったのです。(ルワンダ大虐殺)

当時、女子大生だったツチの著者イマキュレー・イリバギザさんは、牧師の家の小さなトイレに6人の女性と3カ月ほど身を隠します。

ムリンジ牧師は彼の妻がツチ族であったために、とても心情的でした。

彼女を含む女性達を、クローゼットのようなトイレにかくまい守ってくれたのです。

音を立てることもできない狭い空間の中に、押し込められて生活していました。

外では、武器を手にして自分を殺そうと探し回る狂乱の叫びが、壁一枚を隔てて聞こえてきます。しかも彼らはかつての友人や隣人。

想像を絶する恐怖と不安の連続…そして、疑いや怒りの心。気持ちを落ち着けるため、彼女は祈りに集中します。「ほんの少しでも、祈ることをやめれば、悪魔(エゴ)の疑いと自分自身への哀れみという2枚の刃を持ったナイフが私を襲います。祈りは私のよろいになりました。」

このような恐怖の日々にあっても「何か心をいっぱいにするものが欲しいんです。」と英語を習い始めます。

現実世界に戻ったとき、役立つようにと、「サバイバル」のための英語を身につけていきます。三ヶ月もの間、狭いトイレに6人の女性が息を潜めて隠れ続けました。

命がけでかくまってくれる神父の僅かな差し入れのみを頼りに。。。

その後、ムリンジ牧師の所を出て、フランス軍キャンプに駆け込んだのですが、そこで 両親と兄弟の無残な死を知らされます。キャンプで出会った人たちから聞かされる虐殺の惨状。

死体の山を歩き回るが、涙なんてでない。はらわたが煮えくりかえる怒りと憎しみに悶々として、「あいつらはけだもの!フツを殺す銃や大砲が欲しい。彼らが地獄に堕ちて、火に焼かれて欲しい・・・」と彼女は最初 復讐に燃えていたはずでした。

ところが彼女は、信じられないような行動を取ります。彼女は留置場の虐殺した集団の頭目に面会し、やつれて視線を合わすこともできないその姿をじっと見つめた末に放った言葉。。。

『あなたを許します。』

自分の愛する家族を残酷な手口で殺した相手を人は許すことなどできるでしょうか…

でも彼女は許したのです。

彼女が復讐心に燃え上がっていた時、殺された最愛の兄が、夢の中で語りかけてきたそうです。「僕たちが君をまだ 幸せに出来るのを見るのは嬉しいよ。君は随分ながいあいだ苦しんだね。でももう、涙と別れる時だ。僕たちがどんなにすばらしいところにいるか見てごらんよ。ごらん、どんなに幸せでいるかわかるだろう。」

兄の言葉はさらに続きます。

「僕たちがいまだに苦しんでいると思ってはいけない。心を癒しなさい。君は、僕たちの人生を変えてしまった人々を愛し、許さなければならない」復讐を望む声は、「悪魔(エゴ)のささやき」であって家族は復讐を期待してはいないのだと 彼女は心の底から気づいたのです。

そして、彼女の愛する人たちの命を奪った張本人も、彼らの魂(本質)は悪魔ではなく、恐ろしいことをやっていても彼らは神の子どもたちだと。

ゆるしとは、 相手の行動で 傷ついた心や執着(復讐心)を手放すという意味であり、あなたを傷つけた人、あなたのことを裏切った人・・・そのような人間の影響を受けずに生きる、ということを自分自身に許可することです。

人をゆるせないと、他人の影響下に 支配され続けますが、ゆるすことができると、人は心の牢獄から解放されます。

腹を立てることは簡単です。

でも、いまのこの時間はもう二度と取り戻すことはできません。腹を立てていちばん損をするのは、他ならない自分自身。人を許すということは、自分自身の人生を豊にすることができる

ということでもあると彼女は教えてくれました。


https://nwsnet.or.jp/dv-toha/4-shelter 【「シェルター」とは?】より

世界中で、「シェルター」はDVの被害者支援のキーワードとなっています。

 DVを含む家庭内暴力は、生活の場である家庭で被害を受けるため、その被害から逃れようとすると、住むところに困ります。また、緊急に逃げ出したり、家から追い出されたりした場合、今夜、すぐに泊まれるところが必要になります。そのため、DVやその他の家庭内暴力の被害者支援には、滞在場所や住宅の支援は必要不可欠なものです。

 また、DVの加害者は、支配を続けたい、また自分がそんな虐待を行っていることを周囲に知られたくないので、「別れる」というと、何とかよりを戻して関係を続けようとします。

 DV加害者は家族を「自分のもの」だと思っているため、相手が自分の意志で去っていくことを受け入れられません。「別れましょう」と言われると、何もなかったことにしたいので、「戻ってきていいよ」というし、それでも別れると言われると、「ばかにされた」「裏切られた」と受けとり、どこまでも探し出し、追いかけて連れ戻そうとします。実家に逃げることは、場所がわかっているので安全ではありません。最悪の場合は「別れ話のもつれ」殺人事件が起きてしまいます。ですから、DVとストーカーは、かなり繋がっている問題なのです。

 加害者はどこまでも探し、連れ戻しにくるので、「シェルター」(場所が秘密の避難所)が必要となります。 

 「シェルター」(shelter, refuge)は、したがって、狭い意味では、緊急に被害者が逃げ込めて、場所が秘密の滞在場所、という意味です。ですが、広い意味では、DV被害者を支援する活動や組織をシェルターと呼んでいます。

 また、滞在場所としてのシェルターは、緊急に相手から隠れて逃げ込むための安全な場である「緊急シェルター」もありますが、その後、新しい生活を作っていく初期の段階に住む施設である「中長期的シェルター」「ステップハウス」などもあります。

日本では、公的施設、または公的支援がなされている施設としての緊急シェルターと中長期的なシェルターにあたるもの と、民間団体が自主的に作って運営しているシェルター(緊急シェルター、中長期的なシェルター)とがあります。

全国女性シェルターネットの「シェルター」とは、こうしたDV被害者への相談支援活動をしている民間団体であることを示しています。