緊張[笑う花 6話]
2018.12.08 11:39
大丈夫、大丈夫!大丈夫…だよな?!
意識してしまうと本当にダメ、負けた気分になる。
あー、
朝起きてまさか真っ先にあいつの事を思い出すなんて、
気もそぞろになり集中力なんてあったもんじゃない。
準備をしてそろそろ出ないと、
それにしても、なんで…
どーしたらいいんだ。
いやいや早く出ないと!
「楽しんでこいよ」
うるさいな!そんな余裕ないんだわ!
会社に着いて、
今日の業務を確認する、発注書やら昨日の案件を再度…
「あら?今日は靴下が左右逆ですね?何かありました?」
えっ!?
「何でそんなに驚くんですか?!毎回ビックリしますよ、もー」
いやいや名前呼んでくれないと、
誰でもビックリするでしょ?!
「そうだ!こんなに驚かせて嫌な思いしたから、お昼奢って下さいよ」
へぇぁ?
「嫌なんだ」
そんなことない、ない!
「なら何食べるか考えておくので、宜しくです」
わ、わかった。
わかるわけねぇーだろ!
ことが上手く運びすぎて俺病気になったりしないよな…?
えーっと、飯?
飯行くのか?誰と?あいつと?
嘘だろ…
チラチラ同僚を見て居たのか、
お昼時間になり、
「なんか今日よく目が合いますよね?」
そ、そう?そうか。
「あー、もしかして」
緊張で心臓がぶっ飛びそうだ、
なんだこの気持ち、なんか嬉しいようなそうじゃないような、
もしかしてって何だよ。
「私が異動すること知ってたんですか?」
はっ!!!!?
「うわっ!もーーー」
知らなかったよ!
「そうなんですか?」
いやいやいつから?
「今年いっぱいですかね」
血の気が引いた、
今年で2回もこんな気持ちになるなんて、
なんでだよ。
続く。