記録を更新して限界を押し上げていきたい
世界パラ陸上神戸2024 5/22
男子 走り幅跳び T64
◆マルクス・レーム
大変うれしい思いです。7連続世界チャンピオン獲得は素晴らしいことです。今回は非常に難しい競争相手がいましたが、風向きが変わるたびにアプローチを調整する必要がありました。最近の大会では、ジャンプのフィーリングがあわず少し苦労していましたが、今日はうまくいきました。パリ大会に向けてさらによいジャンプができると期待しています。しかし8.3mの記録も立派な成績で、大変喜んでいます。
今日は風が原因で苦労しました。最近の大会ではフィーリングがあわないこともありました。義足を使うと通常の脚とは違う感じがします。義足はエネルギーを蓄えられるが、一度蓄えたエネルギーはすぐに放出されてしまいます。体重移動のタイミングが非常に重要になります。このタイミングを完璧に合わせるのが大変難しいんです。
確かに以前は五輪出場を目指していましたが、それは必ずしもパラリンピックが劣っているからではありません。五輪の方が世界的に知名度が高いのでそこで飛んで、パラ陸上の魅力を広くアピールできればと考えていただけです。しかし、障壁もあり難しいことがわかりました。現在の目標は、さらに飛躍的な記録をマークし、パラ陸上の素晴らしさを広くPRすることです。日本での大会は大変楽しみにしています。日本の観客は熱心でパラ陸上を応援してくれるファンが多く、常に温かい歓迎を受けられるのが嬉しいです。準備期間は完璧ではありませんでしたが、今はパリ大会に集中しています。トレーニングを手抜きすることはできません。
これが今年初めての、しかも世界選手権という大きな大会でした。4日前のオーストリアの大会は本当に酷い結果でしたが、今回はしっかりと集中できました。日本に来るのは大好きですし、世界選手権なので簡単には王座を渡したくありません。防衛に全力を尽くしました。
デレクの活躍は素晴らしかったです。彼は並々ならぬ逸材で、競争が年々厳しくなってきています。若手選手の頭角を見るのは刺激になります。私自身もさらなる飛躍を目指して懸命に練習を重ねます。
記録に満足できない場合は厳しく自己批判をします。私の目標は記録を次々と更新し、パラ走幅跳びの限界を押し上げていくことです。完璧なジャンプを目指して挑戦を続けています。
ブレードの使い方について質問があれば喜んで答えます。競技の発展のためにも、私の知識や経験を共有したいと思っています。同じカテゴリーの選手とも情報交換をしています。競技人口を増やし、パラ陸上をより大きなスポーツに育てていきたいのです。
中西選手とは、ブレードの重要な設定項目についても話し合いました。ソケットやブレードの硬さ、スパイクソールの形状など、跳躍に影響する多くの要素があります。素人目には理解しづらい部分も多いでしょう。
記録に限界はあると思いますが、8.72m以上は可能だと信じています。その記録に至るには、選手の体調や用具、気象条件など、すべてがうまく重なる必要があります。パリ大会で自身最高の記録を残せるよう精一杯取り組むつもりです。
日本のファンの皆様へ。
日本での競技は本当に楽しかったです。観客の熱心な応援に感謝します。パリに向けてさらなる高みを目指し、トレーニングを重ねていきます。テレビの前でパリ大会を応援してください!