シエナの聖女3-鎧を着た豚ゲクラン登場
2018.12.09 04:13
1362年、カタリナは台所の下に小部屋をもらい修行を始めた。その年、アヴィニョンでは教皇ウルバヌス5世が選出された。フランスは、ポアティエの戦いに負けてよろしくない。教皇は別の道を模索し始める。そしてカタリナの夢に聖ドミニコが出て来たことから、彼女はドミニコ会第三会のマンテーラ会入会をめざし、苦行や瞑想に励む。
当時、マンテラーテ会は寡婦や既婚の女性しかおらず、若く美しいカタリナは何回も入会を拒否された。その頃から悪魔が彼女のもとに現れ、「ほら見ろ、修道女になって神の道を歩むなんて無理に決まってっだろ。お前は若く美しいんだから、結婚しなって、楽しいぞ」とビジョンを見せたという。しかし、1364年、17歳のとき、彼女は入会を許された。
その年、フランスではシャルル5世が戴冠した。新王は頼りなさそうだ。彼はすでに包括的税制をつくっていたが、父がロンドンで客死したので、身代金を支払わずにすんだ。財政ができたところに起用したのが傭兵あがりの守備隊長、名将ベルトラン・デュ・ゲクランである。「鎧を着た豚」と言われる怪容だったが、何のプライドもなく、英軍の長弓戦法を取り入れてナバラ王を撃破する。
アヴィニョンでは、傭兵を解雇された盗賊が闊歩していた。新王はいまいち不安、67年、教皇は遂に、ローマ帰還を決意した。待っているのはビルギッタ、そしてその年の四旬節の最後の火曜日、カタリナに重大事件が起こる.。神のご計画はオルタナティブも用意しているようだ。。