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俳句舎の俳人名鑑

「ね」一覧

2018.12.09 03:50

・ メモ 2018.6、27(687名)

 

・ 俳句は詩である。しかし詩は俳句ではない。本物の俳人は詩人である。しかしどんな優れた詩人でも俳人ではない。

・ 他人の句を評して<独善>と言う人がいるが<独善>を軽々しく言つてはなるまい。難解も然り。 

 

・いきいきと死んでいると云うフレーズは平成10年の中日新聞紙上で

  赤とんぼよわたしはいきいき死んでいる  竹内まどか

 の句を見て記憶した。当時この人の句に注目していた。その後<いきいき死んでいる>は私の言葉よと竹内が主張することはなかったし、するはずもない。

  

 

・ 20代の作品特集!

 

   柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺   正岡子規(明治28年 29才)

   赤い椿白い椿と落ちにけり   河東碧梧桐(明治29年 23才)

   遠山に日の当たりたる枯野かな   高浜虚子(明治33年 26才)

   頂上や殊に野菊の吹かれ居り   原 石鼎(大正元年 29才)

   羽子板の重きが嬉し突かで立つ   長谷川かな女(大正2年 27才) 

   秋風や石積んだ馬の動かざる   阿部みどり女(大正3年28才)

   芋の露連山影を正しうす   飯田蛇笏(大正3年 29才)

   木がらしや目刺にのこる海の色   芥川龍之介(大正6年 25才)

   ところてん煙の如く沈み居り   日野草城(大正11年 22才)

   流氷や宗谷の門波荒れやまず   山口誓子(大正15年 26才)

   永き日のにはとり柵を超えにけり   芝不器男(大正15年 23才)  

   葛城の山懐に寝釈迦かな   阿波野青畝(昭和3年 29才)

   バスを待ち大路の春をうたがはず   石田波郷(昭和8年20才)

   頭の中で白い夏野となつてゐる   高屋窓秋(昭和7年 23才)

   朝焼の雲海尾根を溢れ落つ   石橋辰之助(昭和7年 23才)

   戦闘機ばらのある野に逆立ちぬ   仁智栄坊(昭和8年 23才)

   牛の貌チフス患者の夢にくる   藤後左右(昭和8年 25才)

   しんしんと肺碧きまで海の旅   篠原鳳作(昭和9年 29才)   

   夜々の星檸檬をしぼりながらへて   三谷 昭(昭和9年 24才)

   秋の昼ぼろんぼろんと艀ども   神尾彩史(昭和12年 26才)

   戦争が廊下の奥に立つてゐた   渡辺白泉(昭和14年 27才)

   蛇を知らぬ天才とゐて風の中   鈴木六林男(昭和15年 21才) 

   ひとづまにえんどうやはらかく煮えぬ   桂 信子(昭和15年 25才)

   いつせいに柱の燃ゆる都かな   三橋敏雄(昭和20年 24才)

   本丸に立てば二の丸花の中   上村占魚(昭和21年 25才)

   火を投げし如くに雲や朴の花   野見山朱鳥(昭和21年 29才)      

   戦後の空へ青蔦死木の丈に満つ   原子公平(昭和21年 26才)

   死にし骨は海に捨つべし沢庵噛む   金子兜太(昭和21年 27才)

   原爆地子がかげろふに消えゆけり   石原八束(昭和22年 27才)

   いつも世の隅にあぢさゐ濡れてをり   小川双々子(昭和22年 24才)

   冬の日や臥して見あぐる琴の丈   野澤節子(昭和24年 28才)     

   切り株があり愚直の斧があり   佐藤鬼房(昭和23年 29才)   

   船焼捨てし/船長は//泳ぐかな   高柳重信(昭和24年26才)

   冬空や猫塀づたひどこへもゆける   波多野爽波(昭和24年 26才)

   虹二重神も恋愛したまへり   津田清子(昭和24年 29才)

   汝が胸の谷間の汗や巴里祭   楠本憲吉(昭和25年 28才)

   鉛筆の遺書ならば忘れ易からむ   林田紀音夫(昭和27年 27才)

   鉄階にいる蜘蛛智慧をかがやかす   赤尾兜子(昭和27年 27才)

   春の鳶寄りわかれては高みつつ   飯田龍太(昭和27年 26才)

   愛されずして沖遠く泳ぐなり   藤田湘子(昭和27年 26才)

   浜木綿やひとり沖さす丸木舟   福永耕二(昭和33年 20才)

   鳥堕ちて青野に伏せり重き脳   安井浩司(昭和33年 22才)

   萬緑や死は一弾を以つて足る   上田五千石(昭和33年 25才)

   スケートの濡れ刃たづさへ人妻よ   鷹羽狩行(昭和33年 28才)   

   天文や大食(タージ)の天の鷹を馴らし   加藤郁乎(昭和昭和33年 29才)

   かがまりて/ 竈火の母よ/狐来る   大岡頌司(昭和33年 21才)

   冬の馬美貌くまなく睡りをり   石川雷児(昭和36年 24才)

   豆咲いて彫像の顔アジア人   竹中 宏(昭和37年 22才)

   酒ちかく鶴ゐる津軽明りかな   大屋達治(昭和48年 21才)

   致死量の月光兄の蒼全裸(あおはだか)   藤原月彦(昭和48年 21才)

   南浦和のダリアを仮のあはれとす   摂津幸彦(昭和48年 26才)

   灰神楽腋毛は鳥の名残にて   沢 好摩(昭和48年 28才)

   憶良らの近江は山かせりなづな   しょうり大(昭和48年 29才)

   悔恨の声だす鶴を折つてゐる   林 桂(昭和50年 22才)

   泳ぐかなかなくれないの形代と   夏石番矢(昭和52年 22才)

   

    =再度小休止=