ニューマン物語。
「新ちゃん、ねぇ新ちゃん聞いてる?平成最後の年末よ。」
「るせぇな!俺はNewman様だ、新ちゃんなんて呼ぶんじゃねぇ!」
「お母さん、それはチョッと何の事だかわかんないんだけど聞こえてるならいいわ。」
「ねぇ新ちゃん?アナタが元気よくお友達と遊び回っていたミレニアムからもう18年。
でもある時からアナタは家の中でジッとしている事が多くなって、今じゃ完全無欠の引き篭もりよ。」
「・・・るせぇよ。」
「自分はハードコアマシンだ、って気持ちがアナタを押さえつけてるんじゃないかってお母さん思う。」
「関係無ぇ。」
「関係無くない。いつまでもダブルクラウンにボックスステムというアッセンブルがその証拠だし。」
「だから何だっつーんだよっ!」
「平成最後の年末だからさ・・・やり直してみようよ?新ちゃんには色んな可能性があるって事、お母さん信じてるから。」
だからニューマンって呼べよ!
「こんにちは、キミがシンタロウ君だね。」
「オッサン誰?」
バキャッ!(鉄拳制裁)
「気をつけっ!健全なる魂は健全なる体に宿る!何はなくとも長年溜め込んだ埃の清掃開始っ!
あと今後は私の事を教官と呼ぶように。オッサンなどという幼稚な呼び方をしたら・・・分かっているな?」
まずはその無駄にしかなっていないダブルクラウンフォークを脱ぐ!代わりにそこに転がっている鉄フォークでも履いとけぃ!
選択が多いからこそ悩み足踏みするのだ、いっそ変速機など外してしまえぃ!進む時は押忍の気合で踏むべし踏むべし踏むべし!
・・・貴様、それをワイドバーだと思っておるのか?肩幅+握り拳一つ分がDHの基本だと?
Yansさんに憧れ過ぎだ!このバカタレめぇ!どうせ2000年頃のMTBマガジンで読んだんだろう!
貴様は最早MTBでは無い!自分をMTBだMTBだと思うから認識が歪むのだ!
背筋を真っ直ぐ伸ばす、胸を開く、前を見る、そこから始めるべき貴様に必要なのはカワサキZ2のハンドルだ!
気をつけっ!
「表を走ってみろ。どうだ、気分は?」
「教官・・・なんか・・・走るって楽しいです。」
「し・・・新ちゃん・・・シンタロウ!シンタロ〜、オイオイオイオイ・・・(涙)」
「母さん、俺、もう一度走ってみる。普通に、楽しく毎日移動出来る自転車として。」
という事でMTBブーム最盛期に生まれ、そして眠り続けて来た車両を有り物メインでリメイクさせて頂いた今回。
インチキ過ぎる見た目ですが跨り漕ぐと幸せな気分になり、個人的には悪くないと思っている事、
そしてNew-manフレームのオーナーさんが本当にシン−タロウさんであるという事は秘密です。