ある著明な書道家の動き
道とつくのは、剣道、柔道、空手道、茶道、華道・・・。
色々とあるのですが、ボクシングと空手の違いや、レスリングと柔道の違いというのは何か?
何が違うというのは、諸説あります。
今日は、それを明確にしたことを書くつもりではありません。
ある著名な書家の方が治療に来て、日々書を書くために、鍛錬のために四股を踏んでいるとおっしゃっていたので、その動作をやってもらいました。
四股を踏む時には、身体の中心がブレるみたいで、足だけをあげているような動作に見えました。
それで、書を書くときはどうするんですか?
と言ったら、書くときの動作をやってくれました。
足は四股とよく似た動作ですが、手には筆を持っているような姿勢です。
しかし、驚いたことにその動作が実に綺麗。
四股を踏んだ時は、上半身を倒して足を上げていたのに筆を持つ動作をしたら、上半身は動かない。
やっぱり、身についたというか、当たり前にしていることなので、それが自然に身についているんだと思いました。
同じような動作であるのにもかかわらず、四股を踏んだ時は身体がブレます。
筆を持つという意識が身体全体を統合的に命令し、無意識にそれができるようになっているんですね。
それはホントに凄いなと思います。
自然に身体全体を連動させて筆を持つ格好をしていました。
流石といわざるをえない。
頭で命令した姿勢じゃないんですよね。
身体が勝手に動く。
小さい頃から書家の父親から書家になる為の英才教育を受けることで作られたものなんだなと思います。
言葉にあらわせない長年培ってきた動きがそこにはあるように思いました。
やっぱり、そうじゃなきゃ~あれだけの字は書けない。
そう思いました。
書こうという意識を持った時点で身体全身にスイッチが入り身体が勝手に動く。
きっと、膝が痛くても、腰が痛くてもスイッチが入ると、痛くならないんだと思います。
ホントに素晴らしいものを見せて貰いました。
本人は、「え~。そうなの?」
とあっけらかんとしています。
身についたものは、簡単には治らない。
そういう意味での姿勢はとても大事だなと思いました。