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Pianist 寿明義和 Yoshikazu Jumei

音楽評論家 藤巻暢子氏の寸評 2024.5.23.Double Fantasy 五反田文化センター音楽ホール

2024.05.27 04:15

藤巻暢子さんから終演後に直接手渡していただくお手紙のような寸評のご紹介です。

暗い会場の座席でペンを走らせてくださり、いつも嬉しく読ませていただいてます。

以下はお手紙の部分を割愛した本文です。

♪シューベルト: さすらい人幻想曲

ピアノをすみずみまでよく鳴らし、入魂の演奏を展開され、魂に深く届きます。…それぞれのvoiceをていねいに表され、互いを美しいバランスで溶け合わせ、さすがです! ソプラノのpassageの鬼気迫るほどの美しさ……、そしてシューベルトの波立つ心の内が伝わって参ります。。

シューベルトはなんとスケールの大きい、宇宙的な広がりを持つ作品を書いたのでしょう…! しかも彼にしか作ることのできない“永遠の歌”が時折顔を出してくれ… ラストに近づくにつれ、まるでシンフォニーを聴くようです。


♪クロアチアの作品: 花の一生 より

クロアチアはきっと美しい地なのでしょう。

寿明さんの奏でるピアノの響から、そのことが伝わってきます。


♪リスト: ダンテソナタ

デモーニッシュな世界を、たっぷりしたフレーズとデュナーミク、wildな息づかい、鮮烈なテクニックで表され、圧倒的リストのピアニズムを目のあたりにさせて下さいます。寿明さんの演奏は本当にポリフォニックで音楽の立体感が際立ちます!

そしてこそこここにoriginalな表現力が見られ作品に新たな生命を吹き込んでおられます。

全体を貫く緊迫感が素晴らしいです。

渾身のダンテソナタから強烈なenergyをいただき、私もドトーの日々を生き抜くことにいたします!!