出張ヘアメイク〜米寿のお祝い〜
2018.12.10 08:58
ようやく訪れた冬らしい寒さを感じながら
駅を越えた東口を目指します。
この日のお客さまは
米寿のお誕生日というおばあちゃま。
小さな歩幅
おぼつかない足取り…
お嬢さんに支えられながら
やっとの思いで
準備したヘアメイクのお席へ。
コットンに浸したお化粧水が
あまり冷たすぎると驚かれるかな…?
手の中で少し暖めて
そっとお肌に乗せる。
弾力を失った肌
刻まれた深い皺、シミ
伸び放題の眉…
どれもこれも愛おしく
遠く離れた両親の姿をそこに重ねます。
メイクなど随分とされていらっしゃらないであろう
時折お顔をクシャッとして
首をすくめうつむいて
イヤイヤをする仕草も可愛らしくて
"大丈夫ですよ"と
抱き寄せながら
子どもをあやすように
背中をそっとさすります。
今日これから
ご自身のお祝いが開かれようとしていることなど
ご理解されていないわけで
当然私が誰で
何故ここに居て
お顔や髪を触っているのかも
分からないでしょう。
それでも私は
お客さまのペースに合わせて
ゆっくり…ゆっくりと
手を進めます。
白が増したお髪に
アイロンを入れると
艶やかさが蘇ります。
鏡越しに
どんなお母さまだったのか
その姿を探ります。
口紅
頬紅…
筆先の紅が
パーっとお顔を明るくします。
お近くに居て
こんな風にお母さまに
寄り添えるご家族の姿が
とても羨ましい。
そんなご家族の想いを叶えるべく
お手伝いをさせて頂けたことに感謝!
美容はドキュメントです。
お一人ずつにストーリーがあります。
心でお仕事をさせて頂いてます。
お祝いの宴席は
高崎駅東口ホテルココグラン1Fの
"Wabiやまどり"
新井シェフと奥さまとも
お久しぶりに
お逢いできて嬉しかったです。