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【USE CASE:金属表面】(第1回)RINGの適用

2024.05.29 11:45

【背景・目的】

 金属表面には凹凸があるため、被写界深度を深くとることでピントをうまく合わせる使い方をよく行ないます。被写界深度とボケの大きさにはトレードオフの関係があるので、正確に傷などを検出するためには鮮鋭化が必要になるでしょう。

 顕微鏡を用いて金属表面を観察し、RING適応の前後を評価します。

【方法・結果】

 RINGを適用によって、「黒白の山と谷の変化が明確になる」ことを確認できました。

 白飛び個所周辺のリンギングアーチファクトが発生していないことが確認できました。

左:RING適用後  右:RING適用前

ラインプロファイルを確認すると、適用後に変化となる頂点が増加しています。

「変化となる頂点」とは、変化が「+」、「0」、「-」から変わる箇所の個数。(※)

※x軸を変化させ、【 ある点の黒白 と その前の点の黒白 】の差分で評価

4か所から14箇所へ増えている。(以下図参照)

ただし、ラインプロファイルの「9~33」は、白色がオーバーフローしています。

恐らくラインプロファイルの「9~33」は、センサ(フォトトランジスタ)のゲインでクリップしている故に平らになっていると思われます。

そのため、今回のRINGの凹凸評価から除くことにします。

本来ラインプロファイル(物理的な強度プロファイル)の「9~33」は、上に凸の曲線になるはずです。

ダイナミックレンジを調整してからRINGを適用した画像が正しい解析結果となります。

オーバーフロー箇所をの除いた場合、変化の箇所は「3箇所から6箇所」となる。

いずれも増加していることが確認できます。

【結論】

 今回はRINGの適用で、「黒白の山と谷の変化が明確になる」ことを見ました。

 また、色(今回は白)がオーバーフローしている箇所(x軸の9~33)周辺でもアーチファクトが発生していないため、変化を確認できることが分かりました。

 次回、金属表面について別途評価を行っていきます。