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第35回ベルギー『アニマ』国際映画祭

2016.02.15 09:20

ベルギー『アニマ』国際映画祭

〜大人も喜ぶアニメの映画祭〜

今年で35回目を迎えるブリュッセル•アニメーション国際映画祭(通称アニマ)2015が2月5日から14日まで開幕された。これまで『タンタン』や『スマーフ』など数多くの漫画を生み出してきたベルギー。コスプレ、サイン会、講習などプログラムも豊富で、子供だけでなく大人にも人気の恒例イベントとなっている。今回もベルギーから3D映画『Robinson Crusoe』など29作品と•世界各国から64作品が、アントワープなどベルギー国内の10都市で上映された。毎年好評の会場に貼られている映画祭のポスターは、日本でも知られているスイスのフランソワ•シャレさんのデザイン。「人生とはシンプルなもの」という数学科を専攻していた彼らしい丸や三角のシェイプが目を引く。

オープニングは日本のコスプレ

「コスプレは日本のカルチャー。好きなキャラクターに変身して自分も周りもハッピーにさせます」と登場した漫画の主人公たち。あまりにも日本っぽいので毎年びっくりさせられる。イベント会場では漫画作家が交代で、本を買ってくれたファンに自筆の漫画とサインを提供していた。また講習会場では世界で活躍するベルギー人がこの日のために帰国して参加する。ディズニー、ブルースカイやビデオゲーム製作会社に勤務するベルギー人たちの最新報告を聞きに参加者が集まった。今回、世界のアニメ評論家、大学教授、『100Years of Cinema Animation』の著者であるジアナルベルト・ベンダッツィ氏の講演が設けられた。長年のリサーチによる彼の漫画と歴史の図鑑『Animation: A World History』はアニメファンなら必見だ。

「レジェンダリー」な人気作品

アニマ国際映画祭は日本人監督への評価が高い映画祭でもある。日本映画のスペシャルとして『Stand By Me ドラえもん』など10本が一挙上映された。スタジオジブリの作品に関するDVDや本などを求める人が今年も多いが、新作品がないのが特に残念だった。最近は細田守監督がジブリの宮崎駿監督引退後、さらに国外で評価されている。細田監督のチケットは早くに売り切れていた。

そして閉会式で細田守監督の『バケモノの子』が観客によって選ばれる長編ベストアニメーション賞を、そして水尻自子監督による短編『幕』が審査員による特別賞を受賞し、それぞれが賞金2500ユーロを受け取った。これで2010年以降、13年、14年、15年、16年と日本人監督の受賞が続いている。

長年続けられてきた日本アニメの細かなアート作業は今でも多くの学生に勉強されている。しかし近年ベルギーの3Dテクノロジー開発にともない、ハリウッド並みの大作がヨーロッパ内で増えてきている。海外在住の若手監督によるユニークなアニメ作品はこれからますます出現するだろう。



アニマの会場


ジアナルベルト・ベンダッツィ氏