身銭を切る
最近は身銭を切る人が居ないという
世の中が、スピード、効率、損得で全て判断されて
子供の頃からそれに慣れてしまったから?
そして失敗をしたくない人が多すぎる
『失敗』は誰もしたくはない
高価な買い物や、大事な仕事ならば尚更だ
若い頃、航空自衛隊でTOP5に入る高級幹部の秘書の仕事をやった
秘書の仕事は、自分には1番向いてない仕事で、やりたいことの対岸にある仕事なんだけど
辞令が出たらやるしかない世界
例えば、日曜日には接待ゴルフがあるわけで
当然終わったら酒が入るので送迎は秘書の仕事(官用車は使えないので当然マイカー)
ゴルフなどやったことも無く、ゴルフ場への道すら分からないので、その前の週は下見と道を覚えるためにゴルフ場までドライブ(当時カーナビなどは無い!)
当日は、朝送り届けて一旦帰り、終わる頃にまた迎えに行って、まずはカウンターで鍵をもらいゴルフバッグを車に積んで、打ち上げ(会食)が終わるの待って連れて帰る
ところが引き取って来たゴルフバッグが違う人のもので、家に着いて大目玉・・・
ゴルフなんてしないし、ゴルフバッグなんて興味ないからその鍵の番号にあったモノを持ってきただけなのに(ちゃんとした秘書は親分のゴルフバッグの色カタチは覚えてます)
当然ガソリン代も全て自腹だし、自分の休日もパー
例えば、旧知のお客様から電話があって会食をしたいから店を予約しておいてくれと
(場所が浜松だったので)ウナギが食べたいと
ならばと、浜松でウナギが美味しいところを調べて、行って食べて、ここにしようと予約(当然自腹)
さて、後日会食が終わった次の日、一緒に行った高級幹部から大目玉
『あんな品のない店を誰が選んだんだ!?』
人気店で、ガヤガヤドタバタで話も聞こえないし、帰りには残ったモノを折詰にして持たされたと・・・
あの手の偉い人たちは、静かな場所で、料理はちょこっとずつ、会話を楽しむ
そういうモノなんだと分からされたり・・・
身銭を切るの意味がちょっと違うかもだけど
こういったことも今の人は、スマホで調べたり、移動はカーナビあるし
自分の休みを潰されることには理路整然と反論するだろうし、ましてや自腹でなんて有り得ない話でしょう
でもね
自腹だからこその大切な意味がそこにはあるわけで
今も相変わらず同じ様なことをやっている男です
失敗をしたくない人たちへ
身銭を切らないと何も分からないと思いますがね