舐めんなよ!
【こんな話】
TBSの宇垣アナは高校時代、「しょっちゅう痴漢のことはボールペンで刺していた」といい、「舐められたくないというのは根本にある」と言っていた。「化粧が剣」だともいい、彼女が童顔に属するのでそうかな……と思いました。(このブログの12/08号を参照)
その「舐められたくない」でドイツ人女性(当時28歳くらい)と話をしたときのトピックスを思い出しました。
「ドイツでは基本、気の強いオーラを常に発していないと、舐められる。仕事や人間関係、スーパーマーケットで買い物中……などなど生活のあらゆる場面において、「私は強いんだ」というオーラを発射させている。日本ではまったくそういうことが必要ないので、すごくラクなのね。ありがたいワ」って。
基本的にいってドイツに限らず、西欧の人間はタフです。「エゴ」(自我)をキチンと持っていることが当たり前のことです。
これは、聞いた話です。
ドイツでは小学校一年から「Nein Sagen(ナイン・ザーゲン)」の授業が始まります。 Nein Sagenとは「いいえ、と言おう」「違う、と言おう」ということです。
先生に言われたことに対して、生徒ひとりひとりが「いいえ、そう思いません」と答えなくてはいけない。もちろん、みんなの前でです。そして、そう答えるだけなら簡単ですが、「なぜそう思わないのか」……つまりbecauseを説明できなくてはいけないのです。それが授業なのです。
このことが教室内に留まっているわけはありません。家でも、お母さんに何を言われても「イヤだ。私はそう思わない」とあらゆる屁理屈を並べて来るようになります。それに対してお母さんはお母さんできちんと対抗しなきゃいけない。母親にも明確に説明できる「エゴ」が必要なのです。
いくら面倒でも、このことが必要だという国民的コンセンサスがあるのだと思います。
この「ナイン・ザーゲン」は前記の「気の強いオーラ=舐められない」と通奏低音的に同じ太鼓の響きだと思います。
アメリカの小さい子と話をして、彼らが“because...”と言ってから、一生懸命言葉を探しているのを見るとき、抱きしめたいほど愛らしい。
写真の女の子はドイツの女の子かアメリカの女の子 かは分かりません。でも、少なくとも日本の女の子でこういう顔……“舐めんなよ!”という顔をする子は稀です。まあ……いない。