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御嶽山御嶽神明社

夏越の大祓(なごしのおおはらえ)について

2024.06.07 22:53

 六月末に行われる大祓(おおはらえ)のことを、夏越の祓、名越の祓、水無月の祓などといいます。順徳天皇の歌学書『八雲御抄』によると、「なごし」には、邪神を祓い和(なご)めるという意味があるといいます。 

 古来、宮中や民間では六月と十二月に大祓が行われました。十二月の祓は次第に行われなくなりましたが、六月の祓は盛んになり、これをとくに夏越の祓と呼ぶようになりました。 

 罪穢れを祓い無病息災を祈念するため、茅の輪(ちのわ)くぐりが行われます。その由来は、『備後国風土記』のなかで、蘇民将来(そみんしょうらい)という人が、小さい茅の輪を腰に付けて疫病除けとした伝承に基づいています。『公事根源』(室町時代に一条兼良が著した有職故実書)には、輪をくぐるとき、「水無月の夏越の祓する人はちとせの命のぶといふなり」(『拾遺和歌集』)という和歌を唱えると伝えています。 

 御嶽神明社の夏越の大祓は、毎年六月最終週の日曜日、午後二時に行われます。その式次第は、まず境内に設けられた茅の輪を左まわり、右まわり、左まわりと三度くぐったのち、拝殿内で祝詞(のりと)と大祓詞(おおはらえのことば)を奏上します。つぎに神職・参列者は各自、人形(ひとがた)という人の形をした小さい和紙で身体を拭い、罪穢れを祓います。さらに榊大麻(さかきおおぬさ)による四方祓、白い布を切り裂く八つ裂き祓いなどの神事を行い、玉串拝礼をして祭儀が終了となります。参列者には、蘇民将来の故事にならって、小さい茅の輪をかたどったお守りをおわかちしています。 

 境内の茅の輪は、六月中旬から七月上旬まで設置されています。夏越の大祓に参加できない方も、この期間に茅の輪くぐりをして、無病息災をお祈りください。