「へいしのなみだ」佐藤英和・志奈子 文 司修 画
2018.12.13 09:06
本日もクリスマスの絵本を色々と更新しております。
こちらはこぐま社から出版された所謂クリスマス絵本三部作のうちの1冊「へいしのなみだ」です。
スウェーデンのノーベル賞受賞作家セルマ・ラーゲルレーヴの「キリスト伝説集」の中の一篇「ベツレヘムの子ら」を基にしたお話で、イエスの幼子時代の伝説(マタイの福音書の『幼児虐殺』の挿話)を美しい絵本にしたものです。
絵を描いているのは司修さんです。
この「へいしのなみだ」は当店には現在2冊在庫があるのですが、1冊は1967年初版で司修さんの署名入り、もう1冊は1975年の5刷のものです。
ご存知の方も多いかと思いますが、初期のこぐま社の絵本は、その印刷の美しさにおいて、現代でも絵本愛好家たちの間では特に愛されているのです。
印刷はオフセットではなくリトグラフ、ジンク版という版材を用いて絵本を作っていると思われ、これにより現代の絵本とは違う素晴らしい発色を感じられます。
この絵本、そして印刷の素晴らしさは、現在発売中の雑誌イラストレーション2018年12月号のたむらしげる/佐々木マキ特集号の中の、たむらしげるさんと土井章史さん(トムズボックス)の対談の中でも語られています。ご興味のある方は是非読んでみてください。
75年のものも同様の刷りなのですが、初版のものとは使われている紙が違います。初版のものは紙の繊維が感じられるものが使われており、75年のものはややコート紙のような感触のものになっています。
「へいしのなみだ」の他に、本日はこのクリスマス絵本三部作の三作目である「ベツレヘムへの道」佐野洋子 絵(1980年3刷/リトグラフ)もオンラインストアでは更新しております。
ぜひご覧ください。
当店のこぐま社の絵本はこちらです。